第 7 章
海外ホテル極楽滞在の極意
Chapter7
幸福な朝食を120%楽しむために
Witches Falls Cottages (Gold Coast, Australia)
ホテルの朝食バリエーション
世界のホテルには実に楽しいいろいろな朝食があります。まず食べ方で分けると3種類。正統派朝食は、あくまでサービスにこだわるアラカルトメニューのテーブルオーダー。好きなものが自由に選べるブッフェスタイル。そしてプライバシー派にはルームサービス。1日のはじまりの朝食、あなたはどんな「幸福」を求めますか?
コンチネンタルブレックファスト
オートミールやシリアル、ドライやフレッシュなフルーツ、ヨーグルト、ミルク、チーズ、生ハムやサラミのような火の通らない冷たいメニュー(コールドミール)とパン類にジュース、コーヒー、紅茶の組み合わせが基本のもの。ヨーロッパ大陸(コンチネンタル)で最も一般的な朝食です。最近のバリエーションとしては、もぎたてのオーガニックベジタブルを並べたサラダバーが用意されているところもあります。
アメリカンブレックファスト
名前は「アメリカン」ですが、世界中に普及しているメニューです(ちなみにイギリス人だけは、同じ物をイングリッシュブレックファストと呼びます) 。内容は、コンチネンタルに卵料理+ソーセージ、ハム、ベーコンなど火を通した温かいメニュー(ホットミール)が加わったものです。他にビーンズ、グリルドトマト、コーンビーフ、ハッシュブラウン、フレンチフライなどのサイドディッシュがある場合も。これだけ食べればお腹もいっぱいになるでしょうから、別名フルブレックファストとも呼びます。
ローカルブレックファスト
その土地の特選メニュー(郷土料理)です。中国や香港の飲茶や点心、タイやインドネシアのお粥などが代表的で、別名オリエンタルブレックファストとも呼ばれます。世界的なダイエットブームにのって普及した和朝食などもその一種です。アジアのリゾートでは、キムチや焼き魚とスープをセットにした韓定食を用意するところも増えつつあります。
アラカルトメニュー
テーブルでオーダーする正統派の朝食では、ヨーロッパでは「上品適量」、アメリカでは「1品満腹主義」の傾向があります。アメリカ風では、3枚重ねのパンケーキに山盛りバター、ホイップクリームにメイプルシロップやココナッツシロップ付き。さらに、ディッシュサイドにフレッシュベリー類やスライスしたキウィなどが添えられたりします。他にもワッフル、フルーツプレートもあり、朝からブレックファストステーキ(厚手のハム+グリルドパインアップル)なんていうのもザラ。もちろん、フレッシュオレンジジュースにトーストだけでもOKです。
オリジナルメニュー
最近はホテルも朝食に工夫を凝らしています。オリジナルメニューとして「シャンパンブレックファスト」(朝からシャンパン付きという贅沢メニュー)、「ダイエットプレート」(マクロビオテックやナチュラルフードを中心に)、「アスリートプレート」(スポーツマン御用達の高タンパク低カロリー)なんていうのもあるんですよ。こんなユニークな朝食に出合えると、旅がますます楽しくなりますね。
場所にこだわってゆっくり味わう
リゾートに行ったら「ゆっくりのんびり」がキーワード。日常のあわただしい朝食タイムを忘れて、ディナーのように楽しんでみてください。朝の陽光を浴びて、明るいテラスで鳥のさえずりに耳を傾けながら、あるいは道行く人々を眺めてあれこれ想像を働かせるのも楽しいでしょう。1品1品を味わいながら、1時間以上かけてゆっくり楽しんでみてはいかがですか?自分の時間を好きなだけ、自分のためだけに使う。これこそ心を癒すリゾートライフの第一歩です。
高級ホテルではコーヒーショップ以外にも、雰囲気とサービス内容に違いを設けたブレックファストサービスもありますので、気分によって場所を選んでみるのもいいですね。
例えば静かなラウンジやライブラリーコーナーで、少人数向けにビジネスマン用のコンチネンタルブレックファスト。ゆったりした椅子に座ってくつろぎながらいただく優雅な朝食です。オープンエアのプールサイドやルーフトップガーデンなら、朝の日ざしを浴びながらアメリカンブレックファストのセットメニューがぴったり。チェックインの時に、おすすめのブレックファストベニュー(場所)をたずねてみてはいかがでしょう。
またテーブル選びも重要な小道具。高級ホテルには上質なサービスを求め、こだわりを持つゲストが少なくありません。太陽がさんさんと入る、眺めの良い窓際のテーブル。あるいは静かに過ごせるコーナーテーブル。全体の雰囲気を感じ取れる中央テーブルなどなど。お好みのテーブルを選んでみてはいかがでしょう。簡単に「May I take that table?」(あのテーブルいいかしら?)なんて聞いてみてください。ゲストの好みに応えるのが、ホテルマンのサービス精神の基本なのですから。
ルームサービスで気ままな朝食を
朝の惰眠をむさぼる。これも自由きままな旅のシーン。シャワーから出たままのバスローブ姿で、ちょっとお行儀悪く自由気ままな朝食はいかが?新聞片手に、眼下に広がる朝のキラキラと輝く海を眺めながら、テーブルには挽きたての香り高いコーヒー。部屋のテラスからの眺めが素晴らしい、ずっといたくなる素敵な部屋・・・そんなホテルルームなら朝食はルームサービスに限ります。味わいもまた格別でしょう。
最近はどこもブッフェスタイルが主流ですが、ゆっくりとサービスを楽しみたければアラカルトレストランがおすすめ。アラカルトレストランは、いわばブレックファストのメインダイニング。朝のピークタイムでごちゃごちゃしたブッフェレストランに比べるとぐっとエレガントで、丁寧な応対が受けられます。静かな朝食タイムが楽しめること請け合いです。