Vol.
107
マダムヨーコの極私的トラベルリポート~ルクセンブルク
みなさま、超お暑うございます~。体調など崩していませんか? 「いや~、シンガポールやバリ島より日本の方が暑いよ」と笑いつつ、ミスターは風のように次の目的地へ旅立ってしまわれました。「後はよろしく~」と非情なひと言を残して……(泣)。というわけで、今回もマダムヨーコの乗っ取り企画でございますっ。みなさま、どうぞ夜露四苦っ! ←やさぐれております。
ヨーロッパ旅行が低調な2015年夏
聞くところによると、どうも今年の夏の海外旅行需要は低調なようで、特にヨーロッパ方面が伸び悩んでいるのだとか。円安はもとより、ギリシャの金融危機やフランスのテロ事件など、さまざまな要因が絡み合って「今年はヨーロッパやめておこうか」という人が増えているのかもしれませんわね。
そういえば、先頃お里帰りしてきたイタリア人の友人が「ローマにもフィレンツェにも、ほとんど日本人観光客がいなかったよ。中国、台湾、タイ、韓国の団体はたくさんいたけどね。こんなこと初めてだよ。いったいどうしちゃったのさ!?」と驚いていましたっけ。ホントに、いったいどうしちゃったのでしょう!
西ヨーロッパへ出かけるならルクセンブルクにも
いっぽう「いえいえ、長い休みが取れる貴重な夏ですもの、飛んで行きますわよヨーロッパ!」という頼もしい声も聞こえてきそうです。今回は、そんな気合い入りまくりのトラヴェジェンヌに送る特別編。万博景気で盛り上がるイタリアをよそに、フランス、ドイツ、ベルギー、オランダ方面へお出かけというひねくれ、いえ、こだわり派のみなさまへのためのインターナショナル立ち寄りプランでございます。
その目的地はルクセンブルク大公国。面積は神奈川県とほぼ同じという小さな国ですが、首都ルクセンブルクはユーロの第2の金融センターであり、欧州の各種中枢機関が集まる国際都市でもあります。そうそう、ベッテル首相が同性婚をしたことでも注目をあびましたわね~。と聞くと、なんだかとっても近代的な香りがしますが、その実態は派手すぎず地味すぎず、ヨーロッパの端正なムードを満喫できる、実にオトナ向けの世界遺産都市なのでございます。
駅では荷物を預けマップをゲット
わたくしはフランスからベルギーへ向かう旅の途中で、ふと思いついてルクセンブルク中央駅でICを降りてみましたの。まずは荷物をどうにかしなければなりません。ロッカーを探すとホームの先の方にあり、なんと閉鎖中。ガーン! 途方に暮れていると、さらに先の方に手荷物預かり所がありました。プレハブだし、スタッフのおじさまの対応があまりにもぶっきらぼうだしで、「も、もしかしてヤミ預かり所!?」と不安になりつつデポジット7ユーロを渡し、なんとか身軽に。ここまできたらクヨクヨしても仕方ありません。出発です。
案内所でもらった地図によると、中央駅から旧市街まではビミョ~な距離。でも途中に面白いものがあるかもしれないし……とリベルテ通りを歩き始めたのですが、結論からいえば普通の大きな道路でございました。帰りは迷わずバスに乗りましてよ(笑)。スーパーやドラッグストアを冷やかしつつ歩くこと約20分、旧市街への入口となるアドルフ橋に到着。ここからの眺めはちょっと壮観で、濃厚な緑の中に中世の尖塔や丸天井が垣間見え、城壁の様相もうかがうことができます。
旧市街は気ままな散策がおすすめ
旧市街の見どころは、駆け足なら1時間で回れてしまえるほどコンパクト。フォロ・ロマーノやポンペイ遺跡で死の行軍を体験した人であれば、余裕しゃくしゃくだと思います。ガイド付きのウオーキングツアーもあるそうですが、案内所でもらったマップを片手にマイペースでののんびり散策がおすすめです。わたくしも小さな教会のバザーに遭遇し、小さな子供たちのかわいいお遊戯を見学しました。絵本を1冊買ったら「さんきゅう」と、もう、たまらんご接待も!
小腹がすいてきたら、ギヨーム広場周辺のカフェやレストランをチェックでございます。当時はタルト型のデリがブームだったのか、それはそれは美しい盛りつけの惣菜がずらりとショーケースに並んでおりました。ケーキも鮮やかでしたわね~。もちろんこの地でも、お勤めの方々はランチタイムからビールやワインを当然のごとくお召し上がりでございます。いい習慣です。ランチ物価はやや高いかな~という感じですが、ボリュームがスゴい。納得のお値段と言えるでしょう。
予期せぬイケメン祭りに大コーフン!
さて。このちょこっと観光のハイライトは、食後に大公宮の前を歩いていた時に起こりました。ちょうど正門の前を通りかかった時です。おもむろに門が開き、黒塗りの車が続々と出てくるではありませんか。足を止めて思わず車内に目をやると、後部座席にはブラックタイの美丈夫が。次の車も、次の車も……。ななななんですか、このフォーマルイケメン祭りは! 同じように目をハートにして見とれている女性陣のうわさ話によると、王室主催のレセプションパーティがあったとかなかったとか。
そうでなくとも美男子ぞろいのルクセンブルク王室。もしかして王子様がいらっしゃったかも! うう、もっと着飾って行けばよかった……って何を期待しているのやら(笑)。それにしてもVIPが多数出入りするにしては、警備が緩やかで驚きましたわ~。それだけ王室が身近なのかしらん。町中で売られているロイヤルファミリーの絵はがきも、まるでファッショングラビアのようだし。ルクセンブルクって、他のヨーロッパとは少し違った美意識があるのかもしれませんわね~。
短時間でも強い印象が残ります
旧市街を歩いて洗練された食事を楽しんだら、さあ、そろそろこの美しい都市ともお別れです。わたくしは半日程度の滞在でしたが、時間があれば1泊してミュージアムをじっくり見学したり、市立劇場で演奏会やパフォーマンスを鑑賞したりと、もっと多彩なルクセンブルクの魅力に触れることができるでしょう。
そうそう、懸念の手荷物預け所は、どうやられっきとした正規の施設だったらしく、ちゃんと荷物も戻ってきましたわよ(笑)。短い時間でしたが、いろいろな意味で目の保養ができたルクセンブルク。みなさまも、ヨーロッパ滞在の際は、ぜひ鉄道で寄り道してみてくださいね。それでは、次回はミスターの魅惑の海外エピソードがうかがえることを心から願って。またマダムヨーコの辛口サロンでも、お会いしましょう。Ciao!
花鳥風月
海外旅行保険の賢い入り方とは?
読者のyoyogiさんから、ミスターにこんな質問が寄せられました。「いつも海外旅行に行く時、保険に入るかどうかで悩みます。実際のところ、必要なのでしょうか。そして加入するとしたら、どんなものを選べばいいのでしょうか」。お忙しいミスターに電話でうかがったところ「時間がないからアウトラインのみ!」とのことですが、以下の回答をいただきました。
まずはyoyogiさん、いつもご愛読ありがとうございます。私は海外旅行保険は「安心を買う」ものだと思っています。クレジットカードに付帯している保険もありますが、最近はいろいろ条件が厳しいですから、万が一を考えたら、やはり加入したほうが安心ではないでしょうか。ほとんどの人が自分に万が一は起きないと思っていますが(笑)、後悔先に立たずですからね。
海外旅行保険には手軽なパッケージもあります。ですがこだわりたいならその内容をよく確認してみてください。自分には必要がない項目が入っていることもあるので、その辺を削ぎ落していくと料金を抑えることができると思いますよ。重視したいのは、生命保険や携行品の補償より、病気や怪我への補償。診察、手術、入院、通院などへのケアが万全かどうかです。また当事者が海外でトラブルに見舞われた際に、誰かが現地まで身元を引き受けに行かなければならない場合の救援者費用に関する補償はどうか。コレ見落としがちですが、実は結構重要なポイントです。保険に加入するなら、こうした事柄に注意してみるといいですね。「安心」のための出費は惜しんではいけませんよ!
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