ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.101

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101

海外旅行とグローバライゼーション(後編)

Mandarin Oriental Paris

海外旅行の楽しみは、その国にしかないものや、その国独自のカルチャーに触れること。各種テクノロジーの発達は、私たちが世界に飛び立つための強力な後押しになっていますが、その反面、グローバル経済の時代は世界的大資本の進出が貴重なはずの「オリジナル」を駆逐しつつもあります。その侵攻の波が比較的緩やかな日本は、今や空前の観光ブーム。外国人観光客は「日本ならではの姿」に目を輝かせています。そんな中、私たち日本人の意識はどうなっているのでしょうか・・・。

戦後教育がおざなりにしてきたもの

私がヨーロッパを訪れてすごいなと思うのは、国を挙げて自分たちの文化・ブランドを守ろうという姿勢が明確なことです。例えばスイスは農業製品に関して、いくら価格が高くなろうとも、頑としてその生産と流通を保護しています。そして国民もみなそれに賛同しています。

一方、日本では健康志向の人はたくさんいますが、最終的には安いものを選ぶという人が多いんですね。「毎日食べるのだからいいものを食べたい、けれどいいものは高いから安い方を選ぶ」という考え方でしょうか。

これは大げさに言うと、戦後教育の問題ではないかと思うのです。人間にとって何が最も大切なのか・・・それを家庭で学校で、また社会でも突き詰めていく教育が十分になされていなかったのではないでしょうか。日本は経済的には確かに豊かになりました。が、豊かなはずなのに貧困(経済的にも精神的にも)が生まれています。高度経済成長が生み出した消費至上主義が、「足るを知る」の精神を押しやってしまい、コツコツ努力をするとか、苦労して積み上げるということがちょっと軽視される世の中になった気がします。

コスパ重視は質の低下につながる!?

とはいえ、日本はまだまだ安かろう悪かろうを認めない国ですよね。モノがなんであれ高品質高サービスを求める。だから安くてもサービスレベルは高く、それが外国人観光客を感動させているわけですが、実は日本人が求めるものの厳しさは、外国人と大きく違います。外国人が優先するのはコストパフォーマンスです。

日本は古いものをとても大切にしてきた国だったのに、長いデフレのトンネルに入っているうちに次第にコスパ重視国になり、「そこまで必要ないじゃないか」となったら、いろいろな要素がどんどんカットされてしまい、安いものは安いだけのサービスしかなくなりつつあります。これは欧米のコスパ重視の考え方なんですね。

マニュアルに基づいたスタンダードなサービスとは言うけれど、マニュアルは言われたことをやるだけ。融通は利かないし、想像力も育たない。結局は質が低下するだけです。これがグローバライゼーションの一面でもあるのです。こんなグローバルスタンダードに染まる必要はありません。日本人の持つ伝統的な高い美意識を誇り、また保つべきです。

海外旅行が特別イベントの欧米

日本の海外旅行事情を長年見つめてきていると、それが透けて見えてきます。旅行はエンターテインメントや余暇のくくりにされていますが、それだけではありませんよね。旅行は経済的な貢献であり、地元の人との交流も生まれる民間外交のまたとない機会です。

欧米でなぜあれほど旅行、いわゆるバケーションをライフスタイルとして大切にしているかと言えば、歴史に対する理解や文化芸術に対する造詣など、より深い本質的な何かが得られるからに他なりません。この意識は教育のあり方、レベルに如実に比例します。そういう構造があるから旅行の社会的な位置付けが確立しているし、重要度が高いのです。

海外旅行は崇高なもの

私は「旅行」とは、もっと崇高なものだと思っています。思考や意識を刺激し、文化芸術に対する興味関心をインスパイアし、造詣を深め、異文化を知る素晴らしいチャンスだと思うのです。だから背伸びかもしれないけれど、例えばパリに行ったらフォーブルサントノレを歩いて、世界に冠たるブランドのメゾンをのぞいてみて欲しいのです。

そこには歴史があり誇り高いカルチャーがあります。ヴィトンのバッグを買うのもいいでしょう。でも、単なるファッションとして持つのではなく、その背景にある歴史や文化、価値まで知って身につけて欲しいし、彼らが発信してきた文化、築き上げようとしたライフスタイルを知って欲しいのです。勉強して、そういうことを知った上でブランド品を身につけるのは、とても価値のある姿勢だと思いますよ。

ただ行って楽しむだけから卒業しよう

いまは誰もが大学に行ける時代です。でも、生活を本当の意味で豊かにするには、「学ぶ」「考える」ことをしなくてはなりません。瞬間的な楽しみだけを続けていても蓄積はありません。旅行にしても、実のところ連れて行ってもらって、世話してもらって、何も考えずに動くだけの楽ちんツアーだけでは何も学べません。

だから何百回海外に行っても、少しも知識や旅行術は身につかないし、レベルアップもしません。1人で行ったら何もできない、誰かが手取り足取りしないと何もできない・・・ではイザという時どうしますか。もうそろそろ、そういう「考えない」旅行から卒業しようではありませんか。

本物の場所に足を踏み入れて、本物を知り、興味をもって勉強する。そこに海外旅行の大きな価値があります。しっかりしたポリシーがなきゃブランドものを持つべきではない、などとウルサイことは言いませんが、海外旅行から得るものをぜひ探ってみてください。

こうした海外旅行は自身の文化度や意識を高め、クオリティオブライフに必ずや跳ね返ってきます。自分の興味のあることを知り、深めるだけでもいいのです。それを知ることで、人生はもっと彩り豊かになるはずだと私は思います。そんなグローバライゼーションの恩恵こそ、どんどん享受したいものです。

花鳥風月

スゴいぞ! JAL SKY SUITE

原油価格の急落は、さまざまな方面に打撃を与えています。なのに中東が強気の姿勢を続けているのには、ふか~いワケがある・・・とにらんでいるのですが、ミクロな視点で言うとガソリン代や燃油サーチャージが下がってきたのは、実に結構なことであります。今年はシルバーウィークが驚きの大型連休ということもあり、すでに海外旅行のプランを練り始めている方もいらっしゃることでしょう。航空機業界も、これまでの大量輸送時代から顧客満足度追求型へのシフトチェンジしているようで、先頃搭乗したJAL新型機SKY SUITEのエコノミークラスのシートが素晴らしい造りでビックリしました。

ピッチがゆったりしていることはもちろん、背もたれの角度が絶妙で、もう倒す必要がないくらい体にジャストフィットするのですな。ポケットも整理しやすく工夫されていて、ものを入れても膝に当たることはありません。これまでいろいろ乗ってきたエコノミーでは最高レベルと言えるでしょう。そういえば、マダムが乗ったANAの新機材もシートが後ろに倒れず、座面が前にスライド するシステムになっていたそうです。つらい長旅を緩和してくれる新時代のシートは大歓迎。ま、本音を言えばロングホールのヨーロッパ路線などはフルフラットの上位クラスに乗りたいものですがね(笑)。


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