ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.90

Vol.
90

大雪に翻弄された長い1日

The Fullerton Hotel Singapore

みなさま、ようやく、ようやく春の気配が漂ってきましたわね?。まだ積雪の名残で不自由なさっている方もいらっしゃるかと存じますが、早く心 にも体にも暖かな風を感じられますように! って…… え、またマダムヨーコかって? そうなんですのよ!

実はミスター もまた、あの大雪でとんでもない目に遭われたそうで、いまだにそのフォローでてんてこ舞い中。ということで今回は、わたくしがメールと電話で急遽うかがったその顛末をミスターに代わってご報告いたします。

バレンタインデーの悲報

最初の一報が届いたのは、ミスターがお仕事で滞在していたシンガポールからでした。

マダム、前回コラムのピンチヒッター感謝です。今、シンガポールにいます。昨夜バリ島から移動しましたが、なんと、マダムに続いてバゲージミッシング(!?)体験もあったりと(まあ、この報告はまた後日にね)、今回はちょっと波瀾万丈な旅だよ。

こんなワクワク(失礼!)するようなメールが届いたのは2月14日。先の週末に大雪が降り日本中で大騒ぎしたばかりだというのに、さらに降雪予報が出ていた、不穏なバレンタインデーの夜のことでした。

私が出発したのは、大雪後で大混乱していた月曜日。まず驚いたのは、全席リザーブの成田エクスプレスが立ち客で満杯だったこと。なんだなんだ、この騒ぎは……。そして成田でターミナルに入るや否や、オーマイゴッド! どこもかしこも人ヒトひと。とんでもない数の人が床に寝ていて……。昨日は雪で電車が全てストップ。リムジンバスに乗った不運な人は、全員フライトミスの憂き目に。都内から成田空港まで6時間以上もかかったそうな。前夜の空港は阿鼻叫喚だったろうな……なんて想像しちゃったよ。もう、ご愁傷様としか言いようがないよね。

阿鼻叫喚の成田空港

そうそう! わたくしも ニュースで見て胸を痛めておりました。成田からの足がない人々が、飛行機が到着するたびに増えていくんですのよね。ようやく復旧した時には、 だれから優先乗車するのかでメチャクチャ揉めたそうではありませんか。待っていたんだから先に……いや、予約していたんだから権利が……ああ、どちらの気持ちも痛いほどわかるざます?。一方、これから出発するミスターはというと……。

ターミナルに入ったはいいんだけど、「一体どこに並ぶの!?」な状態。いたるところに行列ができていて、それが何列にも重なっている。どこがどこに繋がっているのかサッパリわからない。バゲージを引きながらまともに歩けないほどの大混雑。

雪に弱いのは都市機能だけじゃなくて、空港職員もこういう臨戦態勢へのトレーニングが全くされていないような気がするねえ。指揮する人も見当たらないし……。日本の玄関、成田空港がこれでは本当に情けない。案内も日本語ばかりで、海外からの訪問客は相当困惑しただろうと、右往左往する彼らの姿を見てホントに申し訳ない気分だったよ。

ああ、到着するも地獄、出発するも地獄の状態だったんですのねえ。最近は何でもかんでも「想定外でお手上げ」という件が多発しているニッポン。人力ではどうしようもないことばかりとはいえ、巻き込まれる方の気持ちはいかばかりか……。

チェックインまでの艱難辛苦

私はチェックインカウンターまでいったん行き、並んでいる人を逆にたどって確認しながら何とか最後尾に。数百メートルはあったんじゃないかな。この列はほぼビジネスマンだからか、みな冷静だったね。前にいた30代半ばの男性と話しながら待っていたんだけど、2時間並んでようやくカウンターへの導線になるポイントに来た時、「エコノミーはこちらの列です!」と叫ぶ職員の声。

「この列は?」とたずねる彼に、「プライオリティラインだよ」と答えると、「エッ、じゃまた並び直し!?」とマジ真っ青。「大丈夫だよ! そこに入ったらいいんだよ」と背中を押してあげて、無事列替え終了。お互い笑顔で「グッドラック!」とお別れしました。

引きつる笑顔で対応するグランドスタッフに、「お疲れ様! 今日は大変だね」と声をかけてチェックインしたのは4時間後。当然のことながら予定していたジャカルタの乗継便には間に合わない。とりあえず翌朝便に振替手配してもらい、ホテルはどうなるの、なんてやりとりもしてたから結構時間がかかったんじゃないかな。

そんなパッセンジャーが山ほどいるから大変だよ。比較的冷静なビジネスマンといえども、大きな仕事を抱えて遅れるわけにいかない人もいるだろうし、たまりかねて怒鳴るヤツもいる。通常よりさらに緊張感の高いフリークエント・フライヤーのカウンター。スタッフにとって延々と続く時間は、とんでもないプレッシャーだったろうね。

それでもミスターは紳士だった

こういう時でも、冷静な 観察眼とジェントルな対応を失わないのが、ミスターの素晴らしいところなんですのよね。わたくしだったら、4時間も待たされた後でのチェックインで、スタッフに「大変だね」なんて、きっと言えないと思いす?。マジで心から尊敬しちゃいます!

飛行機が無事飛び立った後は、いくらかでもの早着をひたすら期待するのみ。その思いに応え結構頑張ってくれた(笑)ようで、バリ島行き最終便まであと30分というタイミングでジャカルタに到着。でも30分じゃ長蛇のイミグレ+ターンテーブルでのバゲージピックアップ+フライトチェンジ手続き+チェックインはムリ!

そうでなくともスーパーのんびりなインドネシアンスタッフ仕事。こりゃ絶対間に合わないナとあきらめつつ降機すると、顔見知りの空港スタッフが「急げ!」と手招き。成田から事情をメールしておいたので、待機していてくれたんだね。

いつもジャカルタ空港で長蛇のイミグレを端折ってくれるので大助かりの彼。とはいえ「30分じゃ間に合わないよね」と言うと、「バゲージはプライオリティ扱いだよね。飛行機に空席があるのは確認してあるし、20分までなら待ってもらえるよう手配してあるから、急ごう!」と。結局20分どころか40分以上かかったんだけど、彼が何度も携帯で確認しながらゲートフロアにまで一緒にダッシュ。「走ってくれ! まだドア開けて待ってるから!」。

悪戦苦闘の23 時間の果てに

乗り込むや否やドアクローズ! もう感謝、感謝。同じフライトだった他の客は、全員乗り継ぎはあきらめてホテル手配へ行ったとか。彼にはいつもお世話になっているので、ちょっとしたお土産を渡したり、チップもはずんでいるんだけど、それが大きなリターンになったんだろうね。ありがたすぎるフォローでした。そして午前2時、バリ島でニコニコ顔の空港スタッフ、ドライバー、ガイドに迎えられ、ホテルで倒れ込むようにベッドイン。起床後23時間の長?い1日でした。

待って、待って、走って と、どこまでも大変な往路でしたのね。それこそ、本当にお疲れ様でした。ところが、災難はそれだけではなかったのです(笑←いや、笑っちゃいけないんですけど!)。「さてさて、明日の帰国も雪だってね。 どうなることやら」と結ばれていた、このメールの翌朝……。

トホホな朝です。航空会社から不幸のメールが届きましたー(笑)。もう1日シンガポールをエンジョイし、同国経済に貢献しろって(笑、笑)。またの天の恵み(?)のドカ雪で、日本から機材が来ないのだそうです。従って出発は暫定23時間遅れで明日に変更となりました。東京もまたもや週末の雪で大変そうだね。ノー天気な南十字星の下の国から、ご同情申し上げます。

戻ってきたら地獄アゲイン

なんてね、困ったといいながら、ちょっぴり余裕をかましていたミスターなんですけど、イザ帰国したら、今度こそ本当の地獄が待っていたようです。成田から都内まで、ラッシュアワー並みの電車でドアに体を押しつけられつつ移動。しかしその先への交通機関が不通で、またしても身動きできず、真夜中にようやく取れたホテルにチェックイン。交通機関が復旧するまで滞在を希望したところ、受験シーズンのため満室で延泊は1泊までとの通告……。

危うく路頭に迷う寸前で、ようやく電車が動き、想像以上の日数の「出張」を経て、無事ご帰宅されたそうです。やれやれ?。まさしくロード(roadの方ね)・オブ・ザ・キング、王の帰還ですわねっ。それにしても、突然のトラブルに見舞われた時の対処法として、大いに学ぶところのありそうなこの出来事。みなさまも、それぞれに教訓を読みとってくださいましね! では、次回こそはミスターご本人の復帰を期待しつつ。Ciao!

花鳥風月

「見られています、そのマ ナー」にお便り

読者の五十嵐さんより、前回のコラムの一節「人間は非常時に思わず本性が出てしまうもの。海外旅行という『非常時』も、その例に漏れません。でも、どんなゲストでも絶対にしてはいけないのが、声を荒げることです」に関しての、体験談が寄せられました。

「これを読んでほんとうに納得しました。先日帰国した時、荷物の紛失事故があり、航空会社に抗議をしました。声を荒げるほどでもなかったけれど、担当者にはイヤな思いを不要にさせたのでは」とのこと。「帰国した安心感から無礼なふるまいをして」しまったのかもと自己分析され、「小心としかいえません。『怒り』は 自分の無力の表明 にすぎません」と、何とも真摯な反省の弁をいただきました。

「安心感を取り戻す帰国時も『非常時』ということでしょう。海 外滞在時だけでなく自宅の布団に入るまで安心してはいけないと思います」。五十嵐さんのおっしゃる通り。グッドゲストになるための道は、自ら整備していくしかないのです。お互い、ますます鍛錬していきましょう。素晴らしいお便り、どうもありがとうございました。


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