Vol.
131
「仕事」と「旅」トラベジェンヌの葛藤
みなさま、ごきげんよう。マダムヨーコでございます。先日、日本を代表するような大企業にお勤めの女性の方々に、ワークライフバランスについてのお話をうかがう機会がありました。今や仕事とプライベートの両立は、企業が推奨すべき最優先課題。わたくしの「では、私生活を充実させるとしたら何がしたいですか?」という問いに、断然多かったのが「旅行!」の声(2番目は「習い事」でした)。とは言うものの、現実はそう甘くないようで……。
旅行したくても面倒が多すぎる!?
そうですとも。慌ただしい日常を忘れられる、非日常の時間を過ごせる「旅行」は、いちばんのリラクゼーションであり、ストレス発散になりますものねえ。
ほとんどの女性陣が「今にでも行きたい」「できるだけ長く」「行ってみたいところが世界中にある」と、うっとりと語ります。ところが同時に「旅行をしたいけれど、面倒なことが多すぎるんですぅ~」とボヤくことボヤくこと。そこで、お偉いさんが席を外したスキを狙って、わたくし「なにが? どうして?」と、彼女たちのホンネを追究してみたのでございます。
理由1:同居人(夫、家族)のフォローが大変すぎる!
わたくし、驚愕いたしました。政府ですら女性活躍推進だのとブチ上げているこの21世紀に、いまだに妻(もしくはガールフレンド、もしくは母親)が、1人で旅に出ることをよしとしない風潮が、これほどまでにはびこっていようとは! いやいや、百歩譲って赤子や小学校低学年のお子、面倒を見なければならない高齢者がいるのなら、家を空けられないのもわかります。でもねえ、家事手伝いも可能な年齢の少年少女や、いいトシをした大人のオトコが「いない間、オレ(私たち)どうすればいいの」って……どの口が言っとんじゃあ~!
特に男性!「夫は何もしないし、1人では何もできないんですよ。というか、やろうという気がないんですよね」。だって毎月行かせろって言っているわけじゃないんですわよ? 年に長くても10日間、いや1週間程度でしょう? 「そんなの無理だってブーブーです」「口に出さなくても明らかに不満顔」。だから頑張っても2泊3日。食事は作り溜めして冷蔵・冷凍し、あらゆる事態を想定しての事前準備が必要と、そりゃあメンドクサイわ。そこまでするなら行かなくてもいいや、となるのは火を見るより明らかでございましょう。
社員旅行や出張は、当然のように出かけていく夫やボーイフレンド(しかも準備・後片付けはパートナー任せ!)、子供たちも修学旅行でナマイキにも海外に行っちゃうご時世。なぜ女性だけが「ダメ」なのかしら~? 実家の目が気になると言う方もいらっしゃいましたが、けど、そんなのそんなの関係ねえ! くすぶっている間に時間はどんどん過ぎていくのです。時にはバーンと任せて振り切って、自分の望むように行動してみましょうよ。実践すれば善後策も講じられるというもの。修正しながらベストを探っていけばいいのです!
理由2:周囲への気遣いがつらすぎる!
うう、これはその通りでございますわねえ。みんなが忙しいのはわかっているし、有休は残っているけれど、そんなにたくさんは休めないという負い目。「いいわねえ」なんて皮肉を言われるのもイヤですものねえ。ところが、中にはいるんですのよね、要領のいい人が。どんなに仕事がたて込んでいてもガッチリ休む人、連休の前後をつなげて長い休みを確保しちゃう人。決して非合法ではない。ないのですが、何となく解せない気持ち。こちらもよくわかります。
でも、それで「ちょっとねえ~」なんて言っていると同じ穴のムジナ。休みたいのはお互い様なのですから、遠慮していないで「この時だけは!」の場合は、お休みを取っちゃえばいいのです。気持ちよく認め合うことで、みんなが休みやすくなると思いません? また予定はなるべく早めに立てて周囲にアナウンスしておき、事前にしっかり根回しと準備をしておくのも、迷惑をかけずにお休みを取るための大事なポイントですわね。休暇は働く人の権利です。堂々と取りましょう!
理由3:お土産を考えるのがわずらわしすぎる!
いちばん面白かったのが、この案件でございます。お休みを取ったら、部署などにお土産を買ってくる。これは旅行だけでなく、帰省などでも行われている会社内の暗黙のルールでございますわね。実はお話をうかがった全員が、この義理土産ほど面倒なことはないと力説していました。休暇中の貴重な時間とお金を費やして、ヘタをすると何十人分ものばらまき土産を購入する。もうどうしようもなくて、どうでもいいやで選んだどうでもいいお菓子。当然手つかずでいつまでも棚ざらしになっていたりして、もはや何のための儀礼かわからない有様に。
「そんなに面倒なら、義理土産なんて一斉にやめちゃえばいいじゃないですか~」とマダムが提案したところ、「それだけはできない!」と猛抗議&あっさり否定されてしまいましたのよ。ふう~義理堅い。でもでも、みなさん交代で休んでいるのですから、これもお互い様ですわよね。どうしてもあげたい人にだけ個人的にあげるようにすれば、万事解決ではないですか? 誰か(管理職が妥当かしら?)が形式的なことはやめようと言えば、本当に気が楽になると思うのですけれど……。
もう一度!「行きたくなったら行っちゃいな」
以上3大理由の他には「そもそも長い休みが取れない」「休みを取るための手続き・段取りこそが面倒」「休みを『いただく』という卑屈にならざるを得ないことへのウンザリ感」、そして「旅行はお金がかかる」と言う身もふたもない発言も。ミスターがおっしゃっていましたが、日本人は「旅に行きたい」「旅をしたい」と言います。でも外国人は「タイのリゾートでのんびりしたい」「ナイアガラの滝を見たい」「日本で買物をしたい」など、「どこで何々をしたい」という目的がハッキリしているのだそうです。
何をするかの価値の高い低いは関係なく、キモはどれだけ具体的に旅に対する意識が定まっているか、ということ。そうすれば機会を見つけて行こうと努力・計画しますよね。ただ漠然と「行きたいねえ」「したいねえ」だけでは何も始まらないのです。想像するのは楽しいですわよ。けれどずっとずっと同じことを言い続けているうちに、資金も、それより大切な体力や熱意もなくなってしまいます。旅行をしたい、でも面倒くさい、とお考えのみなさま、人生考えているほどたくさんの時間は残されていませんわよ。再び申し上げます。思い切って、行きたくなったら行っちゃいな! では、また来月。Ciao!
みなさまから募集中の「旅先でゾッとした体験談」。マジで~!? から大笑いの失敗談まで、あれこれ届いております。次号ではドカーンとご披露いたしますので、「これこそ鉄板エピソード」をお持ちの方、どうぞマダムにもお教えくださいね。首を長~~くしてお待ちしておりますわよ~。
使えるワンポイント英会話
「ステキ!」「いいわね!」という意味のフレーズです。以前「Sounds good.」を紹介しましたが、それよりも文字通りチャーミングな印象を与えるあいづちです。相手の提案が気に入ったり、うれしいことを言われた時にニッコリ笑顔でこう応じてください。
「鉄は熱いうちに打て!」思いが募っている時に行動しなければ、その機会は永遠に失われてしまいます。決断した時こそが最高のタイミングなのです。
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