マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.127

Vol.
127

「言ってはダメ!」旅を台無しにする禁ワード

みなさま、ごきげんよう。マダムヨーコでございます。春、でございますわね! 新しいスタートを迎えた方も、これまでどおりの生活が続いていく方も、ぜひ、スプリング・ハズ・カムな気分でステキなひとときをお過ごしください。と言いながら、今回のテーマは「楽しいはずの旅が一瞬でメチャメチャになる呪いの発言&タブー集」でございます。ほほほ、恐ろしいですわね~。

不用意なひと言が鉄のカーテンに

恋人、友人、家族…喜びも感動も倍になる、気のおけないパートナーとの旅。ところが! 共に分かち合うべき楽しい時間が突如、暗転。場合によっては二人の関係を永遠に断ち切ってしまう鉄のカーテンが、どかーんと降りてしまうことがあるのです。原因は、不用意なひと言。以前、ルームシェアのトラブルを回避するためのアレコレをお話ししましたが、こちらはもうちょっと深刻。言葉って無意識に出てしまうものですからね。

文句なしの第1位:「だから言ったじゃない!」

あああ。このセリフ。相手の手回しの悪さ故に問題が起こった時、誰もが一度は口にしたことがあるのでは。もっときちんと用意しておけば、もっとちゃんと注意していれば、そんな目に遭わずにすんだのよっ。確かにその通りなのでございます。しかし言われた方にすると、マジいたたまれないひと言。いちばん痛い思いをしているのは「やっちまった」本人ですし、反省していないわけがない(たとえ上辺がそう見えなくても、です!)。そこはかとなく漂う「そら見たことか」的なニュアンスも、さらなる屈辱感をあおります。このセリフが口をついて出そうになったら、いったん呑み込んで。まずは「大丈夫?」と相手を気づかうことから始めましょう。

ならば最初にそう言って!:「だからイヤだったんだ」

いやいや、「だから」ってアナタ、それ初めて言いましたよね、とこちらを狼狽させる今さらなひと言。同類語が「やっぱり**の方がよかった」。自分では何の準備や段取りをする気もなく、全て相手に丸投げの「お客様」によく見られる文句です。ある程度の予備知識を持っていれば、プラスとマイナスや損得も承知できたはずなのに、すべてを自分本意に解釈したあげく、マイナス面ばかりが目について憤慨…と、まあワガママの極み状態。だったら、最初から気が進まないと言ってくださいよう~(泣)。

これぞ丸投げ派の常套句:「どっちでもいい」

わたくしもマダムママとのハワイ旅行(懐かしい~)で、さんざんこのセリフに頭を抱えた記憶があります。決して、漠然と「どうしたい?」とたずねたのではありませんのよ。チョイスしやすいように2択or3択で提案しても「どっちでもいい」。もしくは「どうでもいい」。相手もこちらに気をつかうあまり、そう言ってくれているのかもしれませんが、その瞬間から始まる「どうしたらいいんだ~」の不毛な時間。ああ、もったいない。じゃあ、私が決めちゃいますわよ。となると、結果的に「だからイヤだったんだ」になったりして。もおお! やってられないわ。

相手は人間なんだから…:「なんか言ってるよ?」

言葉が通じない海外で不意に話しかけられた時、あなたならどうしますか? 分別のある大人なら、まずは相手の顔を見て「わかりません、ごめんなさい」などの対応をしますわよね。ところが中には、話しかけてきた相手をガン無視し、同行者にこう言う人がいるわけです。「なんか言ってるよ?」。これぞ一緒にいるのが恥ずかしくなる態度のナンバーワン。相手はキカイや動物じゃないんですから、最低限の礼儀ある対応をいたしましょうよ。ちなみにコレ、英語をしゃべりたくない男性(年齢問わず)に多いようです。嘆かわしい~。

一緒に考えてくださいよ:「どーするの!?」

不測の事態に直面。何が最善の方法かと思案に暮れている時、ノーテンキもしくは居丈高に同行者にこう言われたら、はい、切れますわよね~。「どーするの!?」って、責任は全部こっちにあるんかーい。それを言うなら、せめて「どうしよう」でしょうが。一緒に考えてくださいよー。少しでも自分ができることを探し、力を合わせて乗り越えてこそ二人の絆が深まるのです。ゆえに「だって、わかんないんだもん」も禁句です。口癖のようにこう言いがちな方、お気をつけあそばせ!

「してはいけない」3大タブーはコレだ!

最後に、同行者のいる旅で「これをしちゃあおしまいよ」の3大タブーもチェックしておきましょう。ポイントは、する方はまったく気にしていないけれど、される方は最初は笑って許していても、回数を重ねるごとにシャレにならない気分になっていく…ということ。その小さな積み重ねが、大爆発の火種になるのです。

時間を守らない:リカバリーが難しい海外では大問題。約束通り待機していても来ない。もしくはメールや電話で、実に気軽に「遅れるね」(遅刻常習者の方がマメに連絡してくるという不思議。笑)。その無責任な心持ちにガックリしますわね~。「時間通りに動くのなんか日本人くらいなものだよ~」という声もありましょうが、日本人ですから! それに本当に大切な用事の時は、誰も遅刻なぞしないはず。ゆえに時間にルーズなのは無責任かつ甘えです、とこの際断言いたしましょう。

スマホにかじりつき:同行者も同じなら文句は言いません。WIFI接続のための手間なら、ある程度は納得できます。でも海外まで来て、滞在できる時間は限られているというのに、なぜSNSチェックのためにそこまで時間を割かなければならないのか…。話しかけても上の空、挙げ句の果てはラインの着信音が際限なく聞こえてくるなんて、いい加減にして~と叫びたくなります。ええ、見るなとは言いません。ただ、もっとスマートにお使いいただきたいのです。

ケチ:どこに行こうが何をしようが、最優先事項は常に「金額」。そりゃあね、楽しみや快感を損なうことなく、いかに安くあげるかを工夫するというのなら大賛成です。そうではなく、ただひたすらお金が出て行くのがイヤ、損得でしか物事を判断しないという人と共に過ごすことほど気持ちが萎えることはありません。レストランではいちばん安いものしか頼まないとか、何でもかんでもすぐ「コスパ」と結びつける…ううう、つまらない! 使うべきところで思い切って大枚をはたくからこそ満喫できるのが、海外旅行の醍醐味ではありませんか?

わたくしもそうですが、いつも何気なくしているからこそ、相手への気づかいや想像力を失っていること、実はたくさんあるのかもしれません。「私はちっとも気にならないわ~」という項目がおありでも、ぜひ何かの折に「もしかしたら」と自省するきっかけにしていただけたら幸いでございます。それではみなさま、また来月。Ciao!


聞かせてあなたの声を

NEXの荷物置き場に物申した件で、T様からこんなお便りをいただきました。「最近、特に思うのはバックパッカーが減って、中高年に限らず若者までもスーツケースですよね。そのスーツケース族(笑)乗車マナーの悪さです。NEXのラックもそうですけど、普通列車でも特急や新幹線でも、シートの隙間にスーツケースを突っ込み、立っている人がいるのに見て見ぬふり」。T様は辛抱たまらず注意されたこともあるそうです。「日本の幸福度は世界51位、G7では最下位です。その大きな差は他人への寛容さだそうで、なるほどと思いました」。そして結論が「金持ちほどケチ! まさにトランプやアメリカの姿です」。思わず笑ってしまいました。金持ちほどケチ! まったくもって!

マナーに関してもう1通。匿名様から「車内でマナーモードにしていないのは中高年。でも車内で通話してるのは年齢層に関係無し? でも最近一番うるさく苛つく音はパソコンのキー音。電車、バス、飛行機、喫茶店、空港ラウンジ…」。確かに! 静かな空間に響き渡るパチパチ音。何もそこまでというほど力強く叩かれるエンターキー。本人は気がつかないのでしょうかねえ〜。「携帯電話の車内通話同様パソコンのキー音についても社内教育したら?」のご指摘、ごもっともでございます。

もはや常連の旅猫様からは、「高級ホテルを楽しむ旅のシリーズ、大変興味深く読ませていただきました」とのうれしいご感想。さらには旅行の際の服装についてのご質問も。「初めての街、特に春・初夏・秋のヨーロッパについては、どれくらいの寒さ対策をしたものか悩んでしまうことがしばしばです」「マダムはどうやって持って行く服装をチョイスされていらっしゃいますか?」。かしこまりました。追ってメインテーマで取り上げますので、お楽しみに!

使えるワンポイント英会話

「非礼をお詫びします」という意味のフレーズ。日本では当たり前でも、海外ではマナー違反になってしまう言動があります。相手に不快な思いをさせてしまったと感じたら、すかさずこのひと言を。カジュアルな場面では「Sorry for being rude.」でもOKです。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

今週の旅格言

「いい大人はいつもゴキゲン」人前に出たら不機嫌や不快感を面に表さないのが大人のたしなみ。自分自身の問題で他人に八つ当たりするなんてもってのほかですよ!


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