資料編

世界の有名ホテルチェーンストーリー

Chapter4

スターウッドホテル&リゾート

The St. Regis Florence (Firenze, Italy)

世界屈指の巨大チェーン誕生

「スターウッドホテル&リゾート」とは、デラックスホテルとして有名な「ウェスティン」や「シェラトン」、「セント レジス」「W(ダブリュ)ホテルズ」「メリディアン」など9つのラグジュリーブランドを傘下にもつ一大ホテルチェーンです。「えっ、シェラトンとメリディアンって同じ系列なの?」と思った人は意外に多いかもしません。

今からさかのぼること100年前。UALインクというユナイテッド航空の持株会社が、ユナイテッド航空やハーツレンタカー、ヒルトンインターナショナル、そしてウェスティンを系列の下に置き、勢力を伸ばしていました。後の1980年代末、バブル期絶頂の頃に日本の青木建設がウェスティン株を買収。しかし、1990年代に入りバブルが崩壊すると、ウェスティン株は手放されることになってしまいます。その時すかさず買収に動いたのが、不動産投資家で多くのホテルを所有するホテルオーナーのスターウッド氏(当時)でした。スターウッド氏は他の数社と連合で、1995年、ウェスティン株の一部を買収します。

これで勢いのついたスターウッド氏は、1998年1月にウェスティン株のすべてを、2月にはITTシェラトンのすべての株を買収し、ここに世界屈指の巨大チェーンの基盤が確立。そして同じ1998年2月、ウェスティン系の「ウェスティンホテル&リゾート」、「W(ダブリュ)ホテル」、「シェラトンホテル&リゾート」、「フォーポインツ」、「ラグジュアリーコレクション」、「セント レジス」の6ブランドのホテルを合体し、「スターウッドホテル&リゾート ワールドワイド」という新しいチェーンが誕生したのでした。

シェラトンが選ばれた2つのワケ

スターウッド氏がウェスティンの合併の相手にシェラトン」を選んだ理由。そこには2つのキーワードがありました。その1つめが、「数の論理」。スターウッドは、現在航空会社を筆頭に普及している「会員制組織(フリークエントビジネスプログラム)」の拡大と充実が、顧客獲得への近道と結論づけていました。そのためには、世界中のいたる所に自社のホテルが建っていることが必要条件になります。そこで、ウェスティン以上に世界各地あらゆる場所にあるシェラトンがグループに加われば、十分な軒数に達すると考えたのです。

2つめのキーワードは「投資の必要性」です。世の中の急激なコンピュータ化の進行、またインターネットの普及が著しいことに着眼し、スターウッド氏は今こそコンピュータシステムに投資し体制を整え確立することが、成功の近道であると考えました。そのためには相当の資本が必要となりますが、シェラトンの持つ大きな財力を合わせれば、どこよりも早くシステムを整えることができ、近未来のビジネスで成功できると判断したのです。こうして最先端をゆく巨大チェーン「スターウッドホテル&リゾート」の目指す方向性が、明確に見えてきました。

2つの基本理念~「カスタマー・イズ・ベスト」

「カスタマー イズ ベスト(Custamor is best.)」、ゲストを何よりも第一優先に考え、大切に思い行動すること。スターウッドホテル&リゾートがまず全社をあげて推進しているのが、この方針です。

言葉だけを見れば、サービス業を営む多くの企業が口をそろえて言う、ありふれたフレーズに聞こえるかもしれません。しかしスターウッドの場合は単なる理念にとどまらず、現実に「ゲストがより快適に宿泊できるためにはどうすべきか?」を念頭に置いた様々なプログラムを企画し、またシステムを変更しています。

ハード面では、全エリアにおいて改装に力を注ぎ、古く機能低下している箇所を全て修繕を進めています。また、安眠を科学的に分析・追求した「ヘブンリーベッド」というオリジナルベッドを開発。順次入れ替えを進めているところです。一方ソフト面では、スタッフの教育に非常に力を入れています。細かな点まで統一された接客法や心得などを、みっちりと指導し、スタッフのポジションによっては、一流の講師を招き、いろいろなシチュエーションを想定しつつ、会社としての統一した改善策から部下の指導方法までトレーニングを行っているということです。

2つの基本理念~「Make the impossible possible.」

基本理念のもうひとつが「メイク ザ インポッシブル ポッシブル(Make the impossible possible)」、不可能を可能にしよう! ということ。このスローガンのもと、社内ミーティングをまめに開き、そこで心当たりのある問題点を列挙。その不可能な点をスタッフ全員で分析し、可能にしていく流れをつくりあげているのです。

こうした問題解決の実現も、理屈ではわかっていてもなかなか実行できないのが現実・・・と諦めている場合も多いことでしょう。しかし、スターウッドはそれを確実に実現しているのです。スタッフ一人一人に、自分が会社を作り上げている大事な一員であるという認識を持たせることによって、常に前向きで活発な組織作りが行われているのです。

スターウッドが始めたサービスエキスプレス

スターウッドには「サービスエキスプレス」という、ゲストにとって大変便利なシステムがあります。客室から何かをフロントやハウスキーピングに頼む場合は、「フロントは*番、ルームサービスは*番」といったようにそれぞれの番号に電話をしなければならないのが一般的です。しかし「サービスエキスプレス」では、すべてのリクエストの窓口を一本化することにより、ゲストは1回の電話ですべてをすますことができるのです。ルームサービスもモーニングコールの依頼も明日のタクシーの手配も、それらすべてを1箇所で受け付けてくれるため、ゲストの手間がぐんと省けます。

ここにもスターウッドの「顧客第一主義」が現れているといえるでしょう。すでに同様のサービスを行うホテルも増えてきましたが、スターウッドが最初にはじめたという功績は意外と知られていないかもしれませんね。

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