資料編

世界の有名ホテルチェーンストーリー

Chapter2

リッツ カールトン

The Ritz-Carlton Marina Del Rey (Marina Del Rey, U.S.A.)

全ては一人の優れたホテルマンから

世界中に70軒以上のラグジュアリーホテルを有する超高級ホテルグループであり、各種メディアの「世界のベストホテル」という特集には必ず上位にランクインするリッツ カールトン。その歴史は、1850年、スイスに「ホテル王」と 呼ばれるセザール・リッツが生まれたことからはじまります。彼はヨーロッパの数多くの有名ホテルでホテルマンとして働きながら、ゲストのニーズを細かくキャッチし確実に実現させることによって、顧客をまたたくまに増やして いきました。特に、世界の富豪や王族たちがこぞって彼の魅力の虜となります。

やがてセザール・リッツは、それまでの経験をもとに、彼の理想とするホテルを作ろうと決意します。今も名声高いパリのホテル リッツです。1898年にオープンしたこのホテルは、「快適さ、安全性、プライバシー、サービスにおい て、世界中を旅する人々が自宅のようにくつろげるホテル」というコンセプトで、一躍彼の名前を有名にしました。

その後100年以上もの長い間、多くの著名人や王族たちを惹きつけるホテルとなったのです。ちなみに故ダイアナ妃が最後に泊ったホテルということでも話題になりました。彼の名を世に知らしめたもうひとつが、1899年に開業したロ ンドンのカールトン ホテル。このホテルでも彼は、パリ同様、多くの上流階級の人々の心をとらえました。

セザール、アメリカに行く

セザール・リッツは彼のホテルにおいて、洗練された雰囲気や比類ないサービスを提供する独自のノウハウを確立。そのノウハウをヨーロッパだけでなくアメリカでも提供したいと考えた彼は、1905年、ザリッツカールトンマネジメ ントカンパニー」をアメリカに設立します。名前は、彼の原点であるパリのホテルリッツとロンドンのカールトン ホテルからとったものです。

またリッツ カールトンの格調高いロゴマークも、この時彼自身がデザインしたもの。英国王室の印章である王冠と、財政面での後援者の象徴であるライオンを組み合せたもので、現在も同じマークが使われています。

会社設立から2年後の1907年、ようやくニューヨークに待望の第1号ホテルがオープンしました。しかし後業績はふるわず、ホテルを数軒オープンさせたものの、リッツ カールトンは長い衰退の時代を迎えます。これに1918年のセザー ル・リッツの死や第2次世界大戦の被害などが追い打ちをかけます。やがて第1号ホテルも姿を消してしまいました。この時代に開業したリッツのホテルの中では、唯一、1927年オープンのリッツ カールトン ボストンだけが残ってい ましたが、ここも2007年にはタージ・ホテルズ・リゾーツ&パレスに売却され、2013年現在は「タージ・ボストン」として営業しています。

アトランタからの再出発

時は流れて1980年代の前半。リッツ カールトンはボストンとモントリオールの2軒のみになっていました。そしてとうとう、名門ホテル「ザ リッツ カールトン ボストン」までが売りに出されることに。その時、このホテルの再生に 手をあげたのが、アトランタの不動産会社の社長W・B・ジョンソンです。ジョンソンはこのホテルのサービスホスピタリティに惚れ込み、ぜひ自分の手でリッツカールトンを再生したいと考えていました。さっそく彼は、運営・ライ センス契約を取りまとめ、「リッツ カールトン」という名称の、アメリカ国内における使用権を取得します。

こうして1983年、アトランタにW・B・ジョンソンが所有する、ザ・リッツカールトンホテルカンパニーが誕生し、リッツ カールトンは新たな繁栄の時代を迎えることになります。翌年にはザリッツカールトンバックヘッドがアトラン タにオープン。1988年には、最高経営責任者ホルスト・シュルツィ氏が社長に就任しました。

以後、ホテルは順調にその数を増やしていき、1997年には日本で唯一のザ リッツ カールトンが大阪に誕生。今や世界各国にに展開するビッググループになったのです。

マリオットとの提携

この流れの中で忘れてはならないのが、マリオット インターナショナルとの提携です。

リッツ カールトンは1994年、アメリカの巨大ホテルチェーンのマリオット インターナショナルの傘下となりました。これによりリッツ カールトンは、財政面での強力なサポーターを得たことになり、それまで以上に早いペースで規 模を拡大させていきます。もちろん、マリオットの傘下に入っても、マネジメントの形式や経営方針、サービスの理念は従来通りの「リッツ カールトン流」を貫いています。

リッツを愛するセレブリティ

最も歴史のあるリッツ カールトン ボストンは、エリザベス・テーラーやリチャード・バートン、ローレン・バコールなどを常客としています。イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルや、往年のハリウッド大女優ジョーン・ク ロフォードも滞在したことがあるそうです。リッツ カールトン ラグーナ ニゲールは、マイケル・ジョーダンやローリング・ストーンズのメンバーなどが常客として名を連ねています。やはり本当に良いものを見極める力のある人た ちが、支持しているのですね。

またリッツ カールトン マリナ デル レイでは、さまざまな映画の撮影が行われています。マイケル・ダグラス主演の「ザ・ゲーム」(1997年)、ウィル・スミス主演の「エネミー・オブ・アメリカ」(1998年)などはその一例です。

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