ウィーン、ときめきホテルから憧れのカフェをめぐる旅
ウィーンに初のカフェハウスが誕生したのは1685年のこと。19世紀には600軒を超え、現在では市内だけでも2000軒を超えるカフェがあるのだとか。そこには独特の作法と驚くほどの種類のコーヒーがあり、そして誰もが心ゆくまでくつろげる時間と空間が待っています。そこで今回はリング内の老舗カフェと、カフェめぐりに便利なウィーンらしいホテルを紹介します。
カフェは世代を超えて愛され続ける「ウィーン子の居間」
ウィーンのカフェはユネスコの無形文化遺産登録されています。
17世紀のオスマン帝国進攻による置き土産だったコーヒー豆が、ウィーンのカフェハウス誕生のきっかけ。最初は中東方面からの交易商相手でしたが、次第に庶民の集いの場へと発展し、近代化にいたる激動の時代を超えて独特の伝統と文化を継承。今も昔も「ウィーン子の居間」として生活に欠かせない存在となっています。
日本語メニューもある有名店「カフェ・モーツァルト」
店内にはモーツァルトのモチーフがちりばめられています。
アルベルティーナの向かいにある「カフェ・モーツァルト」は、映画「第三の男」にも登場する有名店。当時は庶民的な雰囲気でしたが、90年代に日本企業の出資で美麗に大変身! 日本語メニューがあるのも、その名残りでしょう。ケーキ類はもちろん食事メニューも美味と評判。ゆったりとした店内も快適ですが夏季はぜひテラス席へ!
芸術家や知識人が集った文学カフェ「カフェ・ツェントラル」
常連だった詩人アルテンベルクの人形がゲストを出迎えてくれます。
閑静なヘレンガッセ沿いに建つフェステル宮殿の中にあるカフェ。1876年の創業と同時に知識人や芸術家が集う「文学カフェ」として大人気に。店内に常備された各国の新聞が、当時の雰囲気を伝えてくれます。高い天井とゆったりとした空間は、つい長居をしたくなる心地よさ。夕方からはピアノの生演奏も楽しめます。
王侯貴族をとりこにした1786年創業の老舗店「カフェ・デメル」
BGMがないのもウィーンの昔ながらのカフェの特徴です。
コールマルクト通り名物の人だかりは、このカフェの行列。移転してきたのは1888年ですが、バロック様式の美しい店内はほぼ当時のまま。名物の「ザッハトルテ」は、かのザッハーと利権を争った逸話が有名です。他にも王侯貴族に愛されたケーキがずらり。お菓子類のパッケージもすてきで、つい大人買いしたくなりますよ!
ウィーンで最も大きくエレガントな「カフェ・ラントマン」
ウィーンで最も大きくエレガントな「カフェ・ラントマン」
ブルク劇場の近くにあるカフェ・ラントマン。「ウィーンで最も大きくエレガントなカフェ」を謳い文句に1873年にオープンし、狙い通り各界セレブの御用達となりました。家具は1920年代のアンティーク。食器類やフードメニューの盛りつけも洗練されており、すべてがウィーンの「粋」を存分に味わえるようにしつらえられています。
◆ウィーンのカフェめぐりにおすすめのホテル
【1】大人の贅沢が楽しめる極上空間
パレ ハンセン ケンピンスキー ウィーン(Palais Hansen Kempinski Vienna)
ウィーンらしいカラーリングに目を奪われるグランドデラックスルーム。
2013年にハンセン宮を改装して開業。重厚なオスマン建築の外観ながら、館内はウィーンの著名建築家が手がけたエレガントでシックな内装が展開しており、ガラス張りのラウンジは市内きっての豪華さを誇ります。色使いが美しい客室も洗練された大人の空間。贅沢で優雅な滞在が満喫できます。地下鉄及び路面電車ショッテンリンク駅は至近。リング内の徒歩散策も可能です。
【2】何度も帰りたくなる「私だけのホテル」
ホテル アム ステファンスプラッツ(Hotel Am Stephansplatz)
デラックスダブルルームの最上階のテラスで寺院を眺めながら朝食も。
シュテファン寺院の西向かいという最高の立地に建つホテル。建物も館内も決して豪華ではありませんが、観光スポットのど真ん中にありながら意外と静か。デラックスの客室のほとんどが寺院ビューとなっていることなどが高く評価され、多くのリピーターを獲得している1軒です。手入れの行き届いた客室やアットホームなサービスも人気。女性の一人旅にもおすすめです。
【3】スタイリッシュで家庭的な隠れ家
リング ホテル(The Ring Hotel)
レトロモダンなイメージのエクストラオーディナリーの客室。
リングを挟んでブリストル、グランドという大御所と向かい合うここは、5つ星の贅沢を気軽に楽しんでもらいたいというコンセプトから「カジュアル・ラグジュアリー」を標榜。全てが豪華ながら雰囲気はどこかフレッシュで、サービスもフレンドリー。2017年には開業10年目となりますが、新し物好きのアーティストや若い音楽家たちの熱い支持は変わっていません。
【4】ウィーンらしいエレガンスにあふれている
ホテル ド フランス(Hotel De France)
色使いや家具のチョイスすべてにうっとりのデラックスルーム。
モダンなアールデコ様式のエントランスやガラス張りのラウンジ、天井のフレスコ画など、強い印象を残すデザインが満載のホテルです。客室はクラシックなヨーロピアンスタイルで、白と青を基調にした上品な内装。ツアーでの利用も多く、安心して過ごせるのが大きな魅力です。路面電車のショッテントーア駅は至近、日本大使館が向かいにあるのも何かと心強いはず。