憧れのラグジュアリーホテルに泊まろう
~アジア・オセアニア・中東編~

憧れのラグジュアリーホテルに泊まろう<br>~アジア・オセアニア・中東編~

「ホテルは寝るだけ、安ければ安いほどいい」そんな「常識」を思い切って変えてみませんか。お得で贅沢で大満足の一軒があなたを待っています。
今回は、アジア・オセアニア・中東編です。シンガポール、バンコク、ランカウイ、ドバイ、アブダビ、シドニーの人気ラグジュアリーホテルをご紹介します。


◆シンガポールのラグジュアリーホテル
①ラッフルズ ホテル シンガポール(Raffles Hotel Singapore)

ラッフルズ ホテル シンガポール(Raffles Hotel Singapore)

1887年に、たった10室のみの小さなホテルとしてスタートしたラッフルズ。バンガローを改装したおかげで、当時の通り名は「ビーチハウス」。オーナーはアルメニア人であるサーキーズ家の兄弟でしたが、彼らはここを欧米人の在住者や旅行者のための社交場であることをキッパリと名言。当初からそのスピリットはコロニアル的なものだったようです。その方針が当たったのかどうか、このホテルはたった12年で「東洋随一」の名声を勝ち取るにいたります。それが1899年のこと。現在も受け継がれている白亜の壮麗なコロニアル様式の建物が完成したのもこの年でした。

そんなラッフルズの黄金時代は、サマセット・モームやジョセフ・コンラッドといった著名人ゲストを迎えてきた1920年代後半。第2次世界大戦中は日本軍に接収されましたが、戦後、新しく経営者になったマレーシア人バンカーの意向による東洋系富裕層の受け入れなどが、従来のコロニアルムードと見事な相乗効果を生み、再び東洋どころか世界でも指折りの名門として君臨します。そして100周年となる1987年には国の歴史的建造物に指定。その2年後には長期休業による大改装を行いましたが、開業当時の調度品や備品などはそのまま残され、外観も黄金の20年代の姿を完璧に再現したのでした。

客室はすべてスイート仕様。重厚感あふれる家具やカーペット、柔らかな間接照明、そしてどこかロマンティックなムードは、まさに「夢のホテル」。中でもゲストしか入ることができないパームコートに面した客室は、観光客で賑やかなロビーやダイニングエリアとは別世界の趣があります。ところで、激動の歴史を送ってきたラッフルズですが、またもや新たな局面を迎えようとしているようです。2011年、経営権がカナダのフェアモントグループからカタールの投資会社へと移譲、それにともないショッピングモールを一部閉鎖し、新たに80弱の客室を増設することが決まったのです。ラッフルズはどう変わるのか、それとも変わらずにいられるのか。いずれにせよ「今のラッフルズ」が体験できる時間は、あとわずかといえそうです。

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②マリーナ ベイ サンズ(Marina Bay Sands)

マリーナ ベイ サンズ(Marina Bay Sands)

テレビコマーシャルにも登場し「本当にあんなホテルがあるの?」と話題を呼んだ、2010年4月オープンのマリーナベイ サンズ。3つの高層タワーの屋上に巨大な船が乗っかったような奇抜なデザインは、CGだといわれても納得してしまうくらい、非現実感が漂っていました。ホテルのシンボルともいうべきこの部分は「サンズスカイパーク」と呼ばれる、長さ340メートルの空中庭園。ジャングルのようなグリーンの中に約150メートルのインフィニティプールやデッキ、ダイニングなどが配置され、屋上だけで3900人あまりが収容できるのだとか!こんな長い屋上プールはもちろん世界一。プールの中からの眺めは、もう絶景と言うほかありません。

さらには3つのビルに振り分けられた客室は総数2500、ダイニング50余店、「ルイ・ヴィトン・アイランド」を筆頭とした世界のハイブランドがひしめく、屋内スケートリンク併設の巨大ショッピングモール、シルク・ド・ソレイユが登場する全4000席の2つのシアター、そして地下には目もくらむような巨大カジノ・・・と、どこもかしこもレコードづくしのマリーナ ベイ サンズは、エンタメ系ラグジュアリーホテルの最高峰といったところでしょうか。高額な室料にもかかわらずオープン以来人気はとどまるところを知らず、カジノホテルでありながらギャンブルには全く興味のないファミリーゲストにも「泊まってみたい!」と熱い視線を送られています。

ホテル自体はカジノ客をメインにしたサービス体制になっているため、リゾート気分で出かけるとやや不満を感じる部分があるかもしれません。しかし館内にいるだけで食事も買い物もエンターテインメントも、すべて満足できるとなれば、手のかかる子供連れにはとりわけ願ってもない存在でしょう。客室はローカテゴリーのアトリウムルームでも広々とした空間があり、バスルームもゆったり。ここは22階以下とパノラミックな景観とまではいきませんが、その分館内各所へのアクセスに便利と、どのカテゴリーを選んでも「なるほど」というポイントがきちんと押さえられています。まだまだ話題のぶっとびホテル。いますぐ出かけてみませんか?

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◆バンコクのラグジュアリーホテル
①マンダリン オリエンタル バンコク(Mandarin Oriental Bangkok)

マンダリン オリエンタル バンコク(Mandarin Oriental Bangkok)

イギリス支配下の香港で、エグゼクティブをターゲットとして誕生したマンダリンホテル。多忙なビジネスマンをサポートするためか、そのサービスはよくも悪くもスマートだと言われてきましたが、現在はかなりハートウォーミングな方向にシフトチェンジしている様子。時代の流れもあるのでしょうが、その一つのきっかけは1985年の、オリエンタル バンコクの統合にあったといわれています。オリエンタル バンコクもまたエグゼクティブ向けのホテルでしたが、「微笑みの国」バンコクの丁寧かつパーソナルなサービスと、チャオプラヤ河沿いという素晴らしいロケーションは、徐々にレジャー目的の滞在でも注目されるようになり、大都会にありながらリゾートムードも兼ね備えるという、独自のスタイルを築きあげることになりました。

アンティークな調度品に彩られた往年のロビーエリアは、暑い日射しをさえぎるため日中でもうっすらと暗く何ともいえない雰囲気を醸し出していましたが、近年の改装により、コロニアル調を活かしたクラシックモダンなタイスタイルにリニューアル。色とりどりの花があふれる華やかな空間が、訪れる人の目を楽しませてくれます。ゲストのみならず人気なのが「オーサーズラウンジ」のアフタヌーンティーや、「ザ・ヴェランダ」「チャオ」の川沿いのテラス席でのくつろぎのひととき。またフレンチやチャイニーズのコンセプトにもこだわりがあり、全9つのダイニングのどこに足を運んでも特別な時間が過ごせることでしょう。

客室は最低でも40平米という、ゆったりサイズ。明るい色合いのチーク材の家具と美しいタイシルクのファブリックが、優雅でノーブルな空間を演出しています。しかし、今だからこそ泊まりたいのがこのホテル自慢のスイートです。各国著名人がひいきにしたという100年以上の歴史を持つ「オーサーズスイート」、著名人ゲストにちなんだ内装がそれぞれ施されている「ヘリテージオーサーズスイート」、ロマンティックな「ジョセフ・コンラッドスイート」等々、いずれもため息が出るような美しさと、忘れられない景観を備えているのが特徴。またスイートはプライベートバトラーが待機し、客室に毎日フレッシュなフルーツや花が用意されるなどサービスも極上と、いうことなしの滞在になりそうです。

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②セント レジス バンコク(The St. Regis Bangkok)

セント レジス バンコク(The St. Regis Bangkok)

隣はフォーシーズンズ、向かいはロイヤルバンコク・スポーツクラブ、背後におしゃれなダイニングが集まるランスアン、徒歩圏内にセントラルワールドやサイアムパラゴンなどのショッピングモール、そしてBTSラチャダム駅直結と、もはやこれ以上望むことはないという最高のロケーションに、2011年4月オープンしたのがセント レジス バンコクです。セント レジスはスターウッドグループの最高級ブランドであり、今回はタイ初進出となる1軒。ですが実はこのホテル、着工がはじまってからというもの災害や政情不安に見舞われ続け、「開業できないのでは?」と囁かれていた疑惑の(?)ホテル。良くも悪くも長らく話題の的だったのでした。

ベールを脱いでみれば、高級ホテルが集まるエリアにふさわしい貫禄のたたずまい。ガラス張りのモダンなビルで、いかにもエグゼクティブ御用達といった格の高さを匂わせています。バンコク最大級という客室は、艶やかなフローリングの中央に腰高のキングサイズのベッドを配置。窓際には機能的でシックなワークデスクを置き、リラックスにもビジネスにも使いやすいレイアウトになっています。濃紺やモスグリーンの落ち着きのある色を差し色に使っているのも印象的。ここは、あくまでも大人のためのプライベート空間なのです。

それはバスルームにも反映されています。スライドドアで隔てられたバスルーム内にはダブルシンクとセパレートシャワーブース、そしてもうひとつの扉が。そこはトイレ! 同じスペースにありながら、同行者を気にせずに使えるこんな個室仕様のトイレ、意外なことに他にはなかなかありませんよね。またセント レジスの名物ともいえる24時間体制のバトラーサービスも健在。ルームサービスから移動の手配、買い物の付き添いやピックアップまで、どんなリクエストにも応えてくれます。出かけるのが面倒なときは15階の展望プールやスパでのんびりと。バンコクに登場した「最後の大物」、その居心地はいかがでしょうか・・・。

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◆ランカウイのラグジュアリーホテル
①ダタイ ランカウイ(The Datai Langkawi)

ダタイ ランカウイ(The Datai Langkawi)

同じマレーシアのペナンとは異なり、どこかのんびりしたムードが漂うランカウイ。ここ数年、有名ブランドのリゾートが次々に参入してきましたが、それでもちょっと車を走らせればひっそりとしたジャングルといった風情で、あれもしたい、これもしたいと忙しく動く日本人にはいまいち不向きのリゾートアイランドのイメージがあります。実は、その「何もなさ」こそがランカウイのポイント。一度ダタイに泊まれば、その魅力がきっとわかるのではないでしょうか。

ダタイが位置しているのは島の北東、神聖なる海岸を越えたダタイ島を見下ろす場所。向かいにジ アンダマンがあるものの、互いに巧みにグリーンで姿を隠しており、まるで大自然の中にポンと置かれたような隔絶感が。客室の配置も考え抜かれており、たとえビルタイプのデラックスに滞在しても、ほとんど他のゲストの気配を感じることがありません。さらに高台に配されたヴィラとなれば、もはや緑の中の隠れ家同然。プライバシーを気にする各界著名人やハネムーナーに絶賛されるのも深くうなずける話です。

磨き抜かれた木材をふんだんに使った美しく温もりのある室内、控えめですがツボは外さない的確なサービス、そしてこの優雅で洗練された雰囲気に溶け込み、心からリラックスして過ごすゲストたち。すべてがパーフェクトに融合したダタイならではの空気は、敷地内で長い時間を過ごすからこそ実感できるもの。点在する各施設への移動は散歩レベルの距離ですし、ゲストでさえもメインダイニングのディナーは予約がおすすめと、さりげなくゲストを動かし、そのことで満足度や感動を盛り上げるのも、ダタイの見事な戦略。ひたすらリゾートを楽しみつくすことでゲストはダタイを愛し、また戻りたいと切望するようになるのです。

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②フォー シーズンズ リゾート ランカウイ(Four Seasons Resort Langkawi)

フォー シーズンズ リゾート ランカウイ(Four Seasons Resort Langkawi)

ランカウイ島北部、黒砂海岸を脇に車を進めると今度は目に飛び込んでくる輝くような白砂のビーチ。その素晴らしい景観を独り占めするように造られたのが、フォーシーズンズ リゾート ランカウイ。のんびり島ランカウイのホテル料金を一気に押し上げたと言われる、世界的ラグジュアリーリゾートです。オープン時の騒動はご承知の通りで、リゾートフリークですら度肝を抜かれたほどのその豪華さはあらゆるメディアで喧伝され、「さすがフォーシーズンズ」「別世界に来たよう」とコメントも絶賛の嵐でした。

よく比較されますが、フォーシーズンズはダタイのような、うっそうとしたグリーンの中というシチュエーションではなく、適度に自然の姿をとりこんだ開放的な敷地造成。アラビックなデザインをポイントにミックスアジア的なデザインが不思議な非日常感を誘っています。客室はビルタイプのスイートとヴィラ。ビルといっても2階建てで、それぞれが専有するスペースは驚くほどの広さ。高い天井でゆっくり回るファン、天井から下がるカーテン、ローライズの家具や調度品と、空間の広がりを演出する工夫が随所に凝らされています。こうした完璧な外観ゆえか、水回りなどはやや使い勝手が犠牲にされている感もありますが、この贅沢さがあれば相殺されてしまうでしょう。

さて、室内で心ゆくまでくつろいだら、散策に出かけましょう。ラッププールは、子供の利用が禁止されている大人のための遊び場。プールサイドに点在するプライベートスペースはあっというまに「満室」になってしまうので、バトラーに予約をお願いしておくのが上級者テク。陽射しが強くて外に出たくないときは迷わずスパに足を運びましょう。マッサージからアーユルヴェーダなどのトリートメントまで豊富かつ本格的なメニューがそろっています。夕食前にはバーで一杯、そしておしゃれをしてメインダイニングの「セリア」へ。リゾート内だけで過ごす極上の時間。お財布なんか気にしてはダメ! こんなラグジュアリーリゾートに滞在するんですもの、一生に一度は「したいことを迷わずする」バカンスを楽しんでください。

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◆ドバイのラグジュアリーホテル
①ブルジュ アル アラブ(Burj Al Arab)

ブルジュ アル アラブ(Burj Al Arab)

通称「アラブタワー」。5年の歳月をかけて1999年にオープンしたブルジュ アル アラブは、すでに10年以上の歳月が流れた今日でも、急成長を続けるドバイのシンボル的な存在として注目を浴び続けています。砂浜から約280メートル離れた人工島の上、関わったデザイナーは250人、そして世界初の7つ星と、世界中のホテルの中でも話題性はトップクラス。ホテル単体としては世界一の高さがあり、ギネスにも登録されています。スイカを切って立てたようなユニークなフォルムの屋上から突き出しているヘリポート(テニスコートにもなる)も、たびたびメディアに登場しますよね。

世界一の高さがありながら、客室数は202と意外なほどの少なさ。なぜかといえば、ブルジュ アル アラブのゲストルームは全てメゾネット形式のスイートなのです。1階はリビング、寝室とバスルームが2階という構造で、なおかつそれぞれの天井があ然とするほど高い! こんな空間、一体どうやって使いこなしていいのやら・・・。ゲストはすでにエントランスゲートでチェックが行われるため、入室してからのパーソナルチェックインとなります。しかもワークデスクに置かれたパソコンで手軽に。それ以外の各種リクエストは24時間体制のバトラーか、フロアごとに待機しているコンシェルジュが受け付けてくれます。

室内はゴールドカラーをアクセントにしたきらびやかな内装。どっしりと重量感のある家具や手のこんだファブリックなど、どれもこれも「お金持ち」なイメージが満載です。とはいえあまりうるささを感じないのはその広さゆえ。機器や設備を動かすのもリモコンひとつで操作できますから、ちょっとものぐさにベッドやソファでだらだら過ごすのも楽しいかも。また利用者がみな驚くのが、バスアメニティの豪華さ。全てエルメスでそろえられていて、フルボトルのパフュームまで持ち帰り可なのだとか。館内には水族館レベルの水槽のあるレストランや「下界」を見下ろす高層階バーなど、話の種にも足を運んでみたい場所が目白押し。ランチブッフェは驚天動地のメニューが並ぶらしいですよ!

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②アル マハ ア ラグジュアリー コレクション デザート リゾート & スパ ドバイ(Al Maha, a Luxury Collection Desert Resort & Spa, Dubai)

アル マハ ア ラグジュアリー コレクション デザート リゾート & スパ ドバイ(Al Maha, a Luxury Collection Desert Resort & Spa, Dubai)

市街地から4WDに揺られること約1時間、砂漠の中に造られたアル マハ デザート リゾート&スパは、広大な敷地を有するドバイ自慢のオアシスリゾートです。建築に際してはいったん砂漠を掘り起こしてインフラを整備し、再び元の姿に戻すという大プロジェクトを敢行。にもかかわらず自然保護区に指定されているのですから、その工事がいかに慎重に行われたものだったかがわかります。事実、このリゾートはエコツーリズムでも有名で、単に砂漠という非日常感だけでなく、ここでしかできない貴重な体験をすることも。ラグジュアリーステイ志向派もワイルドライフ希望派も、どちらも大満足の1軒、というわけです。

客室は全てプライベートプール付きのコテージタイプ。砂漠の遊牧民ベドウィンのテントをイメージしたのどかさと洗練されたアラビックスタイルが融合し、唯一無二の空間を造りあげています。家具や調度品は温もりのある木製。ファブリックも暖色系でまとめられ、何だか居心地のよいシャレーのような雰囲気。ベッドから降りて背後に回ればバスルーム、前方のガラスのスライドドアを開ければウッドデッキとプールという構造もすてきです。プールは温度調節が可能ですので、肌寒い季節や夜間でも快適。夜の砂漠を眺めながらボーッとつかっていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

インルームスパやテラスで朝日を浴びながらの朝食など、滞在型の楽しみは贅沢の一言に尽きますが、やはりトライして欲しいのが砂漠ならではの自然とのふれあいです。敷地内には絶滅危惧種のアラビアンオリックスが放牧されているのをはじめ、ガゼルの姿を見ることもできますし、敷地内で体験できるアクティビティも多種多様。タカの調教やキャメルトレッキング、ホースライディングなどが、1泊につき2つまで無料で参加できる嬉しい特典が。さらにアクティブに砂漠を楽しみたいなら、ハジャール山脈やワジへのマウンテンドライブや200年前の遺跡が残るハッタ村訪問など、こちらも興味津々のプログラムが用意されています。

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◆アブダビのラグジュアリーホテル
①エミレイツ パレス アブダビ(Emirates Palace Abu Dhabi)

エミレイツ パレス アブダビ(Emirates Palace Abu Dhabi)

アブダビが国の威信をかけて造り上げたエミレイツ パレスは、「世界一の高さ」「7つ星」で世界中にアピールしたドバイのブルジュ アル アラブに対抗する、1キロメートルという「世界一の長さ」を持つ「7つ星」ホテルです。2010年のクリスマスには、ロビーにダイヤモンドやエメラルド、サファイアなど総額約10億円もの宝石がきらめく、高さ13メートルのツリーをデコレート。ホテルとしてはギネスに登録したかったようですが、「イスラムの国でツリー?」「やりすぎ!」との批判が続出、世界的なニュースになったことを覚えている人もいるのではないでしょうか。

そんなエピソードからは、どうもキンキラの成金趣味的なイメージが浮かびますが、エミレイツ パレスは「最高級のクラシック」と評されるほど重厚で落ち着きのある、中世ヨーロッパスタイルの内装。すべてのスケールが大きいだけにその雰囲気は圧倒的で、うやうやしいサービスにも気品が感じられ、気分はまさしく王侯貴族。館内を散策するだけでもしっかりドレスアップしたくなるような特別感に満ちています。また、ぜひ目の当たりにして欲しいのが夜のライトアップ。プライベートビーチ沿いに長々と続く光のラインは、写真では伝えることのできない驚きと感動を与えてくれるでしょう。

ラグジュアリールームはコーラル、パール、ダイヤモンドの3タイプ。異なるのは景観と室内レイアウトやテーマカラーのみで、55平米の広さや設備・機器、24時間体制のバトラーサービスは共通です。スイートになるとその豪華さはさらにアップ。中でも最高峰のパレススイートは広さ680平米! リビングなぞまるで体育館レベルです。スイートのゲストはパーソナルチェックインから「ル・ヴァンドーム」での朝食、またリムジンによる空港送迎付きとサービスもハイクラス。こうした想定外の贅沢なホテルなだけに、館内施設のお値段も桁違い。ブッフェのランチならお手頃だろう・・・なんて軽く考えていると痛い思いをします。滞在するならしっかりお財布をふくらませておいてください。

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②カスル アル サラブ デザート リゾート バイ アナンタラ(Qasr Al Sarab Desert Resort By Anantara)

カスル アル サラブ デザート リゾート バイ アナンタラ(Qasr Al Sarab Desert Resort By Anantara)

タイやバリにスタイリッシュなホテルを展開しているアナンタラが、中東に進出して造ったホテルは、「空白地帯」と呼ばれる世界最大級の砂漠の中。砂と同じ色の建物は砂漠と同化してしまい、遠くからの眺めはうっすらとした蜃気楼のよう。きらびやかな色を使わないアースカラーでまとめられた敷地内は、どこまでもゆったりとした落ち着きのあるたたずまいで、エントランスの噴水を見ると気持ちがふっとゆるみます。ここは砂漠をはるばる旅してきたゲストのための、文字通りオアシスとなっているのです。

一度足を踏み入れたら、今度は人気リゾートもかくやという充実した施設が控えています。ヤシの木に囲まれた爽快な屋外プール、本格的なハマムを備えたスパ、洗煉されたアラビア料理から手軽ナスナックまで選べるダイニング等々。市街地は車で2時間も離れていますから、本当に「人里離れた」場所なのに、都会以上の贅沢で優雅な滞在が楽しめるのです。のんびり何もせずにいるのに飽きたら、ホテル内にある「砂漠ツアーセンター」へ。キャメルライディング、サファリ4WDツアー、デザートハイキングと、これまた他では体験できないアクティビティが取りそろえられています。

ですが、やはり最も心が癒されるのは、客室で気ままに過ごす時間かもしれません。心身に優しいアースカラーでまとめられたインテリアは、独特のエスニックテイスト。上質さが際立つシンプルなデザインと機能性は、実にアナンタラらしい選択といえます。全ての客室に広いテラスが設けられ、スライド式のガラスドアを開け放てば、幻想的な砂漠の景観が目の前いっぱいに広がります。おすすめは何といってもプライベートプール付きのヴィラ。106平米もありながら、宿泊できるのは2人まで(12才以下の子供は1人だけ可)という厳しさ。テンション高く騒ぐのではなく、心通う同行者と静かに過ごす。そんな大人の休日を実現してみませんか。

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◆シドニーのラグジュアリーホテル
①パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)

シドニーを訪れる各国のスターやセレブ、またエグゼクティブから長年圧倒的な支持を受けているのが、このパーク ハイアット シドニーです。キャンベルズコーヴを望むロックスの北、中心部へはやや距離がありますが、対岸のオペラハウスを一望でき、また周辺には個性的なラグジュアリーショップや有名ダイニングが点在する、「わかっている人にはわかる」最高のロケーションに位置しています。このほど数年をかけて行った大規模な改装が終了したばかり。さらにスマートさに磨きがかかり、アーバンリゾート風の洗煉されたデザインになって再オープンしました。

個性的なピクチャーウインドウでゲストの目を楽しませてくれるロビーエリア、気持ちのよいコーヴ沿いのボードウオークといったパブリックスペースはもちろん、最低でも40平米という客室はこだわり満載の自慢の内装。ベージュからダークブランへのグラデーションで統一したカラースキーム、フレンチドアから続くデイベッド付きのプライベートバルコニー、バリアフリーのフロアにピカピカのバスルーム等々、明るくそしてどこまでも優雅な内装は「こんな部屋に住んでみたい!」と思わせる魅力に満ちています。

そうした理想の滞在を支えてくれるのが、24時間体制のバトラーサービスです。とりわけビジネスサポートは、かねてより高い評価を得ているだけあってできないことはないというくらいの完璧度。オペラシーズンやイベント時期に利用するなら、ぜひわがままなリクエストをしてみてください。チップははずまなければなりませんが、きっとその実力を思い知るはずです。町中にはたくさんの誘惑がありますが、館内でも綿密なカウンセリングによるトータルケアが受けられるスパをはじめ、爽快な屋外プールやジムも完備。リゾートとして過ごすのにも充分な施設がそろっています。

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②ブルー シドニー(Blue Sydney)

ファッションに流行があるように、ホテルのデザインにも流行があります。シンプルなミニマルスタイルがやや飽和状態となった現在の主流は、高級レジデンスを思わせるシックなアーバンスタイル。快・不快の振り幅が狭い万人向けのデザインではありますが、せっかく日常を脱するのだからとことん個性的なデザインを楽しみたいという人にはちょっと物足りないのも事実。そんなむきにおすすめなのがブルー シドニー。ナイトライフやサブカルチャーのメッカ、キングスクロスを南に控えたウールームールーベイのザ・ワーフに建つヒップなホテルです。

その昔倉庫だった建物を最初にホテルとしてよみがえらせたのは、あのスターウッド。Wの世界進出第1号としてここが選ばれ、細長く体育館のような内部に入り組むダクトや梁をそのまま活かし、とんでもなくユニークなデザインを施したのでした。その分客室はやや手狭でしたが、Wの新たな方向性を示唆する1軒となりました。そのWシドニーが、タージ系に売却されたのは2006年のこと。タージ系にとってはオーストラリア進出初の足がかりとなり、ホテル名も何度か変更と、その船出はやや手間取りましたが、最終的にシンプルな「ブルー」で決着。内外装を大きく変えることはなく、元倉庫という特徴はしっかり受け継がれた結果、今日ではシドニーの歴史的建造物として指定されているのです。

よりシンプルかつハイテックにお色直しされた館内は、ホテル名であるブルーとともに、レッドやグリーンといった鮮やかな原色をキーカラーとし、ステンレスやスティール等の金属材やクリアパネルと、ミッドセンチュリー風の木の家具やレトロな風合いのファブリックが絶妙にマッチ。どこかレトロフューチャーといった趣の、SFチックな空間になっています。客室はこれをさらにブラッシュアップしたデザインで、動線やバスルームの使い勝手などにも配慮。見て楽しく使って快適な申し分のない造りです。また、バーやレストランは場所柄、地元のカッティングエッジな人々のたまり場。ヒューマンウオッチングでシドニーの最先端を知ることもできそうです。

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