イタリアの宮殿はフランスに比べると、今ひとつ華やかさに欠けるような気がしますね。でもナポリの郊外には、そんな印象を吹き飛ばずハデハデな宮殿があるのです。ナポリ王国全盛時代にカルロス3世が本拠地としたカゼルタがそれ。前庭から王宮を抜けると目の前に広がる大きな滝、そして広大な庭園…ん、どこかで同じような宮殿を見たことがありませんか？そう、ベルサイユ！

実はカゼルタの設計者はベルサイユを手本に、それをしのぐ宮殿を造ることを目論んでいたのだとか。実際に工事が完成した18世紀以降には、ブルボン家の貴族の避暑地として利用され、また復活祭明けには庭園を一般庶民にも開放していたそうです。内部は、おお、やはりフランス調！華やかな色合い、細部まで執拗に施された装飾。でも所々に力尽きた感が漂っているのがご愛敬。天気のいい日はランチボックスを作ってもらい、青々とした芝生の上でピクニックを楽しんでみてはいかがでしょう。