A Good Travelerへの道 そこが知りたいホテルの常識

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ホテルの見方・選び方

Chapter2

ホテルの格付けとは?

Shangri-La Hotel Paris (Paris, France)

世界共通の基準は「ない」

いわゆるホテルの「格付け」は、公的、民間に関わらず、実は世界的な統一基準は存在しません。アメリカならアメリカ自動車協会(AAA)によるダイヤモンドの数、イギリスはロンドン観光庁によるクラウン数、フランスならフランス政府観光庁によるHマークに星の数といった国ごとの指標はありますが、その判定基準は、文化や価値観などの「お国事情」によりバラバラなのが実情です。

このため「アメリカでは3ダイヤモンドクラスが、イギリスでは5クラウン」といった不思議な現象が、当然のように起こってしまいます。

また、一般的な格付けは、基本的にハード面(施設や設備の有無など)が基準となり、ソフト(サービス)面は含まれていません。これもホテルを選ぶ際には覚えておきたいポイントです。独自のコンセプトを持つシャトーホテルやマナーハウス、ブティックホテルなどは、通常のホテルと同じものさしで計ることはできません。ですから、どんなに豪華であろうともそれに見合う格付けがされないのが実情です。

「格付け」は「グループ分け」

こうして見ると、ホテルの格付けとは、「地域や国、もしくはポリシーになどの独自の文化的基準によってなされたグループ分け」という定義が最も妥当だと思われます。グループ分けですから、ホテルにとっては競う価値があるのも事実ですし、一方で確固たるオリジナルコンセプトを有するホテル経営者にとっては、格付けなど全く無用というケースもあります。

例えばチェーンのホテルは、ある意味「ブランド」です。それぞれが一定の統一基準を持ち、厳しい内規によって常にハード、ソフトの両面で基準をクリアする管理体制を設けていますし、「ルレ・エ・シャトー」「ザ・リーディング・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド」などのように、独自の高い基準を設け、それを満たすホテルのみをグルーピングする組織もあります。

何を基準に選べばいいの?

格付けさえ目安にすれば安心してホテル選びができるというものではないことは、もうおわかりですね。つまり、星の数はあくまでもひとつの参考指標と考え、最終的には「格付けを絶対的なものとせず、自分自身の主観で判断する」ことが最も確実なホテル選びにつながるのです。

その上で、無難なホテルを選ぶとすれば、一般的な判断による4スタークラス以上ということになるでしょうか。そこから先は人それぞれの好みに左右されるのです。

あなたの好みは?

ホテルの規模でいえばすべてがダイナミックな大規模か、安心感のある適度な中規模か、こだわりとディテールへの気配りが効いた小規模がよいのか。サービス面から見ると、すべてがきっちりマニュアル化された4スターまたは5スタークラスの大中規模チェーンホテルは無難ですが、規模が大きいゆえのリスキーな面もあります。

3スタークラスは中間層だけに数も多く、正直なところ当たりはずれが一番多いのが特徴。とはいえ、チェーン等に所属せず、個性的でチャーミングなホテルや、掘り出しモノ的なホテルが多いのもこのクラスならでは。デザイン系、HIP系、アバンギャルドなブティックホテルなども多く含まれます。

シティ派かリゾート派かという見方もあります。シティホテルといっても、スマートで機能的なビジネスマン御用達もあれば、ビジネス街のど真ん中ありながらオアシスのようなシティリゾートもあります。またリゾートにしても、広大なラグーンと多様なプール、各種レストランがそろった大規模リゾートがある一方、広大な敷地に独立したプライベートプール付きコテージがたった20軒という、プライバシー重視の隠れ家リゾートもあります。

これほどに多様なホテルがあるわけですから、「格付け」だけで判断することはできないですよね。格付けはひとつのデータと考えて、いろいろなホテル選びにチャレンジしてみてください。失敗も旅の大いなる財産。誰にも教えたくない、繰り返して行きたくなるようなマイ・ホテルが見つかれば、これほど素敵なことはありません。

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