ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.120

Vol.
120

知っているようで知らないホテルルームの雑学1

Andaz Tokyo Toranomon Hills

みなさま、ごきげんよう。マダムヨーコでございます。ヨーロッパ長旅の疲れを癒す間もなく、ミスターは西へ東へと奔走中。というわけで、久しぶりのヘルプ要請がまいりましたのよ~。つきましては2回にわたり、わたくしマダムヨーコが「おいしい旅の話」にお邪魔いたします。どうぞ、気楽におつきあいくださいね。

日本の超高級ホテルオープンはまだまだ続くか

みなさまは、数年前にインターナショナルのアッパーブランドが、日本にこぞって進出してきたことを憶えておいででしょうか。ブームはコンラッドとアンダーズで一段落…かと思いきや、その後も話題のホテルオープンが相次いでおります。顕著なのが超高級路線が衰えないこと。東京ではアマンや星のや、京都では翠嵐、また沖縄や離島も同様で、傾向としてはインバウンド見込みの高級日本風リゾートが主流です。

な~んて堅苦しい話は抜きにして。みなさま、国内外で上記のようなラグジュアリーホテルに滞在した時に、客室で「これなんだろう?」と不思議に思ったモノやコトありませんでしたか。もしくは、当たり前と思っているけれど、改めて考えると「なぜ?」と首を傾げてしまうこと。今回は、知っているようで知らない、ホテルルームのミニ雑学をご紹介いたします。いつか、必ず役に立つ日が来ると信じておりますわよ~。

フットスローはWin-Winな流行寝具

まずはベッド周りから。ベッドの足元に敷いてある長い布。名称をご存知かしら? 正解は「フットスロー」。靴を履いたままベッドに寝転がっても、キルト(掛け布団)が汚れなくてすむお役立ちモノ。かつてはホテルのベッドといえばベッドカバーが一般的でしたが、デュベスタイルの流行とともにフットスローも普及してきました。上掛けの羽毛を潰さずにすみ、清掃やクリーニングも便利と、オシャレな見た目だけでない利点も多いようです。

高級ホテルはベッドの足元にも手を抜かない

では、ベッドの足元に置かれているベンチのようなもの。コレはなんと言うでしょう。答えは「オットマン」。18世紀後半にイギリスで流行した、オスマントルコ風の家具が起源なのだとか。ちょこっと休憩したり、荷物を置いたりと、いろいろな使い方ができます。しゃれたホテルでは、長いトランクを置いているところもありますわね。これは「ホープチェスト」といって、思い出の品をしまっておく家具なんですって。実用ではなくても、夢のある素敵なデコレーションですわよねえ~。

多すぎる枕はゲストそれぞれの快眠のため

ホテルのベッドって、やたらと枕が置いてあります。そりゃあ見た目はゴージャスだけど、眠る時に「きーっ、ジャマ!」って思ったことありませんか? マダムはしょっちゅうです! しかし、それもまた高級ホテルの証なんですのよ。端っこに追いやる前に、ひとつひとつ触ってみてください。ソフトなもの、ある程度の固さがあるものと、実は中身もいろいろなのです。よって、素直に置いてある枕に身を任せずに、あれこれ試して吉。より熟睡しやすいマイ枕が見つかることでしょう。余った枕を抱き枕に使うという手もありです。

ターンダウンにチップはいりません

ハウスキーピングとは別に、夕刻に改めてベッド周りを整えておいてくれる「ターンダウン」のサービス。フットスローを外し、足元にマットとスリッパを用意してくれたり、メッセージカードやプチガトーが置かれていることも。疲れて帰館した体と心を癒してくれる、うれしい心づかいですわね。特別なリクエストでもしない限り、ターンダウンにチップは用意しなくてOKです。そして室内にいて、ゆっくりしたい時は断っても構いません。

イタリアのホテルに滞在した時のことです。出がけに椅子に部屋着のスリップをかけておいたところ、戻ってきたらベッドにどーんと広げられていたことがありました。「どええ! 何これ!? 気味悪ぅ!」と怯えたマダムヨーコ。あとで聞いたところ「女性のナイティのような美しいものを、美しくデコレートするのは当たり前のサービス」とのこと。ふ、ふ~ん。みなさま、ベッドにパジャマや部屋着を広げられていても、心配しなくてよいようです!

バスタオルとバスマットって紛らわしいですよね!

さて、バスルームに移動いたしましょう。ここにも、枕と同じようにたくさんのタオルがありますわね。小さな正方形はハンドタオル、長方形のフェイスタオル、一番大きなバスタオルと、基本は3種類。ちなみにフェイスタオルとほぼ同じ大きさで、やや厚みがあるのはバスマットです(たま~に間違えますわね!)。

バスタオルはバスタブ上部のラックに置かれていることが多いのですが、「わ~、蒸気で湿気ちゃわないかしら~」と心配になります。浴槽内のラックに置くのは、いわゆる「ヨーロッパ方式」。つまり湿度が低い地域から広まったやり方だそうです。となると、やはり日本の、しかも密閉式のユニットバスにはあまり向いていないのかもしれませんわね。

シャワーブースのドアでハードの価値がわかる?

贅沢なバスルームの象徴が「セパレートシャワーブース」。最近はレインシャワーや、ボディマッサージシャワー仕様になっていたりと、さらに快適度が追求されています。でも、その爽快感を一気に吹き飛ばすのが水漏れ! きちんとドアを閉めていても、気がつけば床もバスマットも水浸し…なんてことありますわよね。ミスターもよくおっしゃっていますが、シャワーブースのドアは「カチキチッと」閉まってこそ高級ホテル、でしょうねえ。

そんなシャワーブースの水漏れは、外開きドア物件に多いようです。まず、これからしていかがなものか、なのですわよ~。安全対策の見地からすれば、ドアは内側に開くのが基本中の基本。突然の災害などでドアの前にモノが堆積してしまったら、外開きでは脱出できないからです。というわけでホテルでは、トイレのドアも、また客室のドアもほとんどが内開きです。ま、日本では面積の都合上、外開きにせざるを得ない事情もあるようです。そこは汲んで理解いたしましょう。

いかがでしたか。ひとつくらいは「へえ~」と、目からウロコが落ちた事柄がございまして? 次回も引き続きマダムヨーコが、ホテルルームの雑学シリーズをお届けいたします。が! ミスターがお戻りになられたら、潔くバトンタッチするざますわよ。そして、みなさま、また辛口サロンでもお会いしましょう。それでは、Ciao!