ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.86

Vol.
86

迎秋緊急対談「バリ島は萌えているか!?」後編

Grand Hyatt Bali

この10月に行われたAPECにあわせ、総力戦の開発工事が行われたバリ島は、よりインターナショナルなリゾートとしての利便性や快適性を備えつつあります。反面、インフラ整備の甘さが原因と思われる渋滞やゴミ処理などの問題も浮上してきており、今後の展開が気になるところ。そんなバリ島の「これからの楽しみ方」を、マダムヨーコとの対談で探ってみました。

ライステラスビューが売り文句!?

マダムわたくしは今回ウブドとスミニャックに滞在しましたけれど、どこもかしこも工事だらけでビックリ。ウブドではジャラン・ウブドとジャラン・モンキーフォレストの交差点界隈にカフェ、ダイニング、デイスパ等がガンガンオープンしていて、あのイブ・オカも少し離れた路地裏に移転していました。昔はライステラスなんて珍しくもない景観だったのに、今や「ライステラスビュー」はレストランのセールスポイントになっていますのよ。

ミスター田んぼがつぶれて家になっちゃうって、高度成長期の日本みたいだよね(笑)。以前はのんびり近所の人が洗濯していた細い路地なんかにも、ロスメンやスパがみっちりできているでしょう。

マダムそんな感じがしました。それぞれ工夫を凝らしたアピールをしていて興味深くはあるのですが、ゆったりとしたウブドらしい雰囲気は少しずつ薄れているような気がします。ミスターは今回のご滞在はサヌールだけでしたっけ?

ミスターそうなんだよ。でも、それが反対にサヌールのよさの再発見につながったね。サヌールはバリ島で最初に高級リゾートとして開発されたエリアで、代々バリ島のカーストの中でも上位の人たちが暮らしていた、芸術的な気風の色濃い土地なんだ。ところが、その後ヌサドゥアやジンバランが台頭してくると、人気がガクッと落ちちゃってね。ほとんどが長期滞在と思しきヨーロピアンやオージーで、日本人旅行者は滅多に見かけなくなった。

マダム大型ホテルが建ち並ぶヌサドゥアとも、ごちゃごちゃしたレギャンなんかとも異なる、独特の穏やかさがあるんですけれどね。

リピーターは迷わずサヌールへ!

ミスターところが昨今、他のエリアが乱開発と言ってもいい状態なのに、サヌールにはその波に揉まれていない。なぜかというと、サヌールにはハイカーストの大地主がいて、土地の大半を所有しているんだよ。だからバラバラに土地を切り売りされることもなく、開発にもある種の抑制が効いている。道路もさほど渋滞している印象はなかったでしょう?

マダムメインストリートに入ったら、急に車の流れがスムーズになった気がしました。道路もキレイでスッキリしていますね。

ミスター歩道もちゃんとしているから、夜でも足元に不安を覚えずにジャランジャランが楽しめる。スミニャックの道なんかデコボコでひどい。何のエクササイズかと思うくらい(笑)。それにサヌールは、バリハイアットやタンジュンサリみたいな老舗がしっかり生き残っていて、古き良き時代の雰囲気がほとんど損なわれていないんだ。これは大きな魅力だよ。

マダムわたくし今回は、初めてバリに行く友人を案内したんですけれど、「バリすごいよ、いいよ、超癒されるよ~」って持ち上げるだけ持ち上げて連れて行ったものですから、想定外の開発ぶりに「こんなはずでは……(汗)」。納得いかない風の友人の様子にヒヤヒヤしていたのですが、彼女が唯一「ここなら住めるかも」と言ったのがサヌールでした。

ミスターバリ島リピーターなら、今こそサヌールがおすすめだよ。静かに過ごしたい大人には、あのちょっとさびれた感じが、またいいんだ。おしゃれで洗練されたカフェやレストランも多いし、こぢんまりとしたシックなヴィラも増えている。道ばたの安食堂もどこかノーブルなイメージが……って、いくらなんでもそれはないか(笑)。

マダム思わず納得させられそうになりましたわ!(笑)

ビギナーには嬉しい選択肢の多さ

ミスター数年前にブルガリやバンヤンツリーが登場して、これでバリ島の高級リゾートも出そろったかと思ったけど、いやはや甘かったね。ヌサドゥアの南端に3プロパティが同時にオープンしたムリアは、地元の大財閥がオーナーの自称「6ツ星」。バリ最高峰を自認している超ラグジュアリーリゾートだし、アヤナの敷地内に誕生したリンバも、アヤナが「海」ならリンバが「森」というように、自然やエコを意識したスタイリッシュなオアシスリゾート。今後もソフィテル、リッツ カールトン、そして日本の「星のや」など、世界に冠たるホテルが次々にオープンする。

マダム高級リゾートはますます高級になりつつありますね。それにつられて、既存のヴィラやデラックスホテルも明らかに高額化しているような……。以前なら、まだ何とか手が出たヴィラも、もはや雲の上の存在ですわ~(泣)。

ミスターホテルタイプのプロパティも、室内のイメージをヴィラに近づけているところが増えてきたね。アリラやアナンタラなんて個性的で面白いけど、ちょっと驚くような料金設定だもの。そんな“流行”も、そのうち波が引く時が来るんじゃないかなあ。

マダム前回ミスターがおっしゃいっていましたけど、乱立しているゲストハウスやロスメンは、ある意味、旅行者にとってはありがたい存在かもしれませんわね。

ミスターバリ島だけで宿泊施設はゆうに1,500を超える。お金があまりない学生や、経済的で気楽な滞在を求める家族連れには、カジュアルなホテルが便利だろうし、滞在中の1~2泊だけ高級ヴィラに移動するという楽しみ方もできる。安いところはとことん安いから、すごくメリハリのある滞在が楽しめると思うよ。

バリ滞在の楽しみといえば

ミスターあと、やはりバリはスパが素晴らしい。何が素晴らしいって、お値段が圧倒的に素晴らしい(笑)。サロンは雨後の竹の子のごとくできているけれど、上手なエステティシャンに当たれば、これほどの至福はない。人気のあるホテルのサロンなんか、やっぱり飛び込みでは無理だしね。

マダム町スパだと3時間で80ドルしませんもの。それに、競合が増えすぎたためか、意外と値段が上がってないんですのよ~。これはスパフリークとしては、嬉しい限りでございます。フリーペーパーでチェックしてみると、パッケージがこれでもかというほどお得ですから、トライする価値はありますわねえ。

ミスターそしてゴルフだね。徐々にプレーフィーがアップしているとはいえ、日本に比べれば、まだまだお手頃。個人的にはタナロット寺院を望むニルワナ・バリ・ゴルフがお気に入り。かなりチャレンジングなコースだけど、とにかく絶景。コースの中にホンモノのライステラスがあるんだよ。ニュークタ・ゴルフもロケーションは素晴らしいんだけど、コース沿いにどんどんホテルが建っちゃってね。あれは惜しいな。

マダムそういえばクタのビーチフロントに、ビーチウオーク・バリという、アラモアナショッピングセンターのような大型モールができましたね。シャネルやフェラガモはともかく、バリでギャップやザラが買える日がくるなんて、嬉しいような、必要ないような……複雑な心境でございます(笑)。

ミスターコアなファンを持つ隠れ家リゾートから、インターナショナルリゾートへの脱却だね。APEC前に突貫で(笑)完成した高速道路も、クタから海の上を走ってヌサドァまで10分ほどだそうだから、少なくとも南部エリアでは渋滞の緩和は見込めそうだし。

マダム空港もエライことになってましたわ。タクシーで乗り付けたら、とんでもなく離れた場所で降ろされて、チェックインカウンターまで延々歩かされるんですのよ!

ミスターゴメン、私はVIPレーンで行ったからすぐ入れたよ。

マダムんまっ、憎たらしいっ(笑)。

というわけで、2回にわたってお送りした特別対談、いかがでしたか? おや、バリが何だか動いているぞ……と興味を持たれた方、とにかく急いでバリに出かけてみてください。激動の瞬間を、その目で確かめることができるかもしれませんよ。

マイフェイバリットホテル

ミスターおすすめサヌールの「大人のリゾート」

バリ好きならサヌールへ。静かで優雅な滞在をしたいなら、満足すること請け合いのリゾートはいくつもありますが、最近オープンした注目の2軒を紹介します。まずは、あのリージェント。スマワンのビーチフロントに広大な敷地が広がっているとは思えない、シークレット感覚満点のエントランス。吹き抜けの荘厳なロビーのコントラストは、夜間の到着なら感動もひとしおです。シンプルなのに重厚感漂う客室は最低でも90平米。まるまる小さな部屋が入りそうなオープンエアのテラスルーム、家具や調度品の意匠にも目を見張らされます。インフィニティプールを望むレストランで、風を感じながらよく冷えた白ワインを……そんなエレガントなひとときを過ごしたいリゾートです。

サヌールは女性一人でも気兼ねなく泊まれるヴィラがたくさんありますが、ザ パヴィリオンの裏手に位置するマハギリもその1軒。シックなモダンバリスタイルは、以前滞在したスミニャックのカナヤに似たイメージでしょうか。隅々までおしゃれだし、プライベートプールも十分な大きさ。2ベッドルームだと各部屋が完全に独立した贅沢な造りになっています。朝食は部屋でもレストランでも食べられるので、その日の気分に合わせてどうぞ。スパもスタイリッシュですゾ。