ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.67

Vol.
67

もう迷わない! チップの新常識

Rosewood London

「おいしい旅の話」ファンのみなさま、お久しぶりでございます。どうにもこうにも超多忙なミスターMの指名を受けて、ヘルプ担当マダムヨーコの降臨でございますわよ?。ツッコミどころ満点の辛口サロンに対し、ミスターのコラムは、いつもシャープかつスタイリッシュですわねぇ。ムードを壊さないように、脳みそフル回転でがんばりますので、どうぞ最後までよろしくお付き合いくださいませ。

ヨーロッパでチップは不要?

ここ数年、ヨーロッパに行くたびに「あら?」と感じることがあります。それがチップ。ピローチップを置いておいても回収されていなかったり、飲食店やタクシーでも料金通りに支払いがすんでしまい、後で「あっ、チップ!」と気がつくこともしばしば。これがハワイあたりだと、レシートにすでにチップが記載されていてメラメラしたり、あらゆる場所に「料金にチップは含まれておりません(=チップ忘れないでよね!)」の断り書きがあるのがフツー。いやでもチップ意識は高まります。

日本では、海外でチップはマストと教わってきたはず。でも、もしかしてヨーロッパは、アメリカほどチップにシビアではないのかしらん・・・。ヨーロッパ在住の知人にたずねてみると、みな口をそろえてこう言います。「払うとしても、端数を切り上げる程度。よほどの高級店や、何か特別な依頼をした時は別だけどね。だって料金にはサービスの分も含まれているんだし」。うーむ、みなさん、たいへんケチいや現実的でございます。こうなったら、海の向こうでお仕事中の旅の達人、ミスターに時差を気にせず電話で確認ざます?(鬼!)。

ミスター曰く「そうだねえ、確かにヨーロッパでは昔ほどうるさくなくなったような気がするね。でも、すべてにおいて不要ってわけじゃないし、支払い方にもコツというかマナーがあるんだよ」。ということで、ミスターが教えてくれた「サービスする側・受ける側双方ニッコリ」の最新チップ事情をご紹介いたします。

チップは「悩んだら払う」

かつて、日本人のチップの支払い方は「そんなに出さないで!」と諌められるほど豪快だったようです。何しろチップの習慣はないし、海外では金銭感覚も狂いがち。100ドルが100円くらいで脳内換算してしまうこと、みなさんもおありではないでしょうか。しかし海外旅行が気軽になってくるに従い、今度は「日本人はチップを払わない」「ケチりすぎる」なんて言われるようになってしまいます。要は払うべきところできちんと払えばいいだけの話。もし「払った方がいいのかな?」と悩んだ時は払う。ミスターに言わせると、これだけ心得ていれば、チップで煩わしい思いはしなくてすむのだそうです。へえ?、実にシンプルですのねえ。

ところで、もしあなたが5★以上のラグジュアリーホテルに宿泊するのであれば、そこがアメリカであれヨーロッパであれ、チップは絶対に必要なのでございます。こうしたホテルが提供する最高に贅沢なサービスは、「自分でできることを人にしてもらう」こと。そのためにさまざまな役割のスタッフが待機し、世話を焼いてくれるのです。チップはその仕事への対価であり感謝のしるし。ホテルの格調や雰囲気を壊さないためにも、気兼ねせずサービスを受け、気持ちよくチップを払うことが大切なのです。それが面倒くさいのであれば、最初からハイクラスのホテルをチョイスしないほうが賢明です。

チップの目安はこれ!

さて、気になるチップの相場ですが、「ケースバイケースだから何とも言えないよ?」とぐずるミスターを、あやしあやし聞き出してみましたわよ! 単位はアメリカならドル、ヨーロッパはユーロとお考えくださいませ。

5★+以上5★~4★+4★以下
ベルマン
(荷物1つにつき)
3(3つ以上で5~)2(3つ以上で5~)1
ポーター
(荷物1つにつき)
3(2つ以上で5~)2(2つ以上で5~)1
ハウスキーパー
(枕チップ)
5~103~51
ルームサービス
(食事)
5~105~101~2
ルームサービス
(物品)
1~101~101~2
コンシェルジェ1~上限なし1~上限なし
バトラー
(サービスごと)
1~1~

注1:4★クラス以下でチップが発生するのは、ほとんどがアメリカ。どのサービスも支払いは1ドルと考えておいて可。

注2:4★でも雰囲気やサービスが明らかに高グレードの場合、またブティックホテル等、通常のレイティングに対応していないホテルの場合は5★の相場を目安に。

チップに関する覚え書きあれこれ

いかがでしょうか。だいたいの相場がおわかりになりましたか? これを切り抜いて旅行用のお財布に忍ばせるか、マネークリップに挟んでおけば、いざという時とっても便利ですわね。最後に、ミスターのお話の中からピックアップした「なるほど!」ポイントもお教えしておきますわね?。

●ピローチップをサイドテーブルに置く場合は、チップであることを示すメモを添えたほうがわかりやすいですね。もしくは枕の上に置くか・・・。
●ハウスキーピングのスタッフは毎日変わる可能性があるので、まとめて支払わず、毎日置いた方がいいでしょう。
●マネークリップにチップ用として1ドル10枚、5ドル5枚、10ドル1枚、20ドル1枚を常にキープしておくと、いざというとき慌てずにすみます。
●チップは「出来高」払いで。最初に渡した方が融通してくれると思いがちですが、基本的にはしてもらった内容と、その結果に応じて支払います。
●とにかく素晴らしい滞在を満喫できたのなら、「ホテル」そのものにもチップをはずんでみよう! その場合はチェックアウト時の支払いに、チップ分を上乗せしてくれるよう伝えるのがスマートなやり方です。

海外旅行でゴージャスなホテルにお泊まりのご予定がある方は、このミスターの訓示(笑)を、ご出発前にぜひ再読していってくださいね。それでは、みなさま、また機会があったらお邪魔しますが、マダムの辛口サロンもどうぞよろしく。Ciao!

花鳥風月

花鳥風月 話題のLCC、あなたは乗りたい?

海外の有力LCCが相次いで参入し、日本初の本格的LCCも就航したことから、2012年は、日本のLCC元年と言われているそうです。ミスターも「海外旅行の常識が変わる!」と大コーフンしていらしたけれど、マダムはまだまだ実感がわきません。口の悪い友人が言うことには「LCCはセルフうどん屋と同じ。素だと安いけど、あれこれトッピングしていったら結局は高いんだよね」。うはは、ウマイ!

問答無用のビジネスシャトルとして利用するなら、座席指定がなくても機内食が出なくてもどーってことありませんが、レジャーだとどうなのかしら。せっかくだものと欲張ったら、ナーンダ、通常チケットと変わらないじゃない・・ってことになったりして。まあ、とにかく機会を見つけてチャレンジしてみますわね。そして、すかざずみなさまにご報告いたします。すでに日本発のLCCをご利用なさった方は、体験談をお聞かせくださいませ。ミスターともどもお待ちしておりま?す。