Vol.
55
ミスターの旅先美食ハンティング:ミャンマー編
気の休まらない日々が続きますが、1日でも早くみなさまの生活が元に戻りますよう、心からお祈り申し上げます。心躍らせ笑顔で旅行に行ける時は、また必ずやってきます。その日まで、みなさまの夢を支え続ける小さな励みとして、このコラムをお送りしていきます。これからもどうぞご愛読ください。さて、いつもご好評をいただいている「魅惑の都市でプチグルマン」シリーズ、今回から新装開店します。題して「ミスターの美食ハンティング」。旅先で見つけた超絶美味、絶対はずさないレストラン、食から見えてくる人間や社会の本当の姿等々、みなさんのお役に立つ情報をよりディープにお届けしていきます。
「学び」「考える」旅をしにミャンマーへ
昨年33年ぶりに訪れてからというもの、私にとって「機会があれば行くべき国」となったミャンマー。そんな思いでいるせいか、最近似たような年代の方と旅の話をすると、かなりの確率でミャンマーの話題が出ることに気がつきました。そして驚くことに、多くの人がミャンマー旅行のリピーターなのです! 2500年にも及ぶ歴史を今日に伝えるパゴダ、不思議と懐かしい町の様子、そこで暮らす真摯な人々・・・。政治的な問題は多々ありますが、それを超えて旅人を魅了するミャンマーは、単なる観光にとどまらない何かを考えさせてくれる国、なのですなあ。とはいうものの、ハラが減ってはイクサはできぬ(笑)。高温多湿のミャンマー滞在をハード&タフに乗り切るには、おいしい食事によるエネルギーチャージは最重要課題といえましょう。今回はヤンゴンとバガンの2都市から、これぞという食事処を紹介いたします。いずれも地元の人が太鼓判を押す、出かけてソンはないお店ですゾ。
ダンパウは手で食べるべし!
タイ料理からサワー風味を抜いた、しょっぱ辛くて油っこい料理。これが私の持っていたミャンマー料理のイメージ。まあ当たらずとも遠からずといったところで、これが毎日続くと思うと胃にググッとストレスが溜まりますが、数日間の滞在なら全く問題なし。まずはミャンマーのローカルフード「ダンパウ」からいきましょう。目指すお店は、賑やかなアノーヤター通り(Anawrahta Rd.)と38番通りの交差点近くにある「ユザナビリヤニ(Yuzana Biryani)」。えっ、ビリヤニってインドの炊き込みご飯でしょう・・と言う方、正解です。ここはインド人がやっているのでその名がついていますが、ビリヤニはミャンマーではダンパウと呼ばれ、お手軽な食事のひとつになっているのです。
このダンパウ、カレー味で煮込んだ肉もしくは野菜を香辛料で炊きあげたご飯に載せるだけという実にシンプルな一品。ですが、元々は大勢にふるまうおもてなし料理ゆえ、大釜でガンガン作られている様子は圧巻。お客が来るとホイッとお皿に盛って出すところなぞ、日本の牛丼屋のようです。種類はチキン、チキンレバー、マトン、ベジタブルの4つ。おすすめはマトンかな。味噌汁の代わりにレモン風味のスープがつきます。日本円にして70円?100円程度。フォークとスプーンがサーブされますが、パワフルな地元の人たちの食欲に倣ってぜひ手で食べてみてください。おいしさがグーンと違ってくるはずです。
優雅に食するミャンマー伝統料理
ディナータイムのおすすめは、ヤンゴン大学に向かう途中の住宅街にある「パドンマ」(Padonmar:No.105/107, Kha-Yae-Bin Rd.,Dagon T/S, b/w Ryi Daung Su Yeik Tha and Manawhari Rd. / Ahlone Rd.)。ヨーロッパからの観光客に大人気のレストランです。コロニアル様式の古い洋館が何ともいい雰囲気。館内にミャンマーの伝統芸能で使われるあやつり人形をはじめとした、さまざまな伝統工芸品が飾られているのも面白かったですね。ここのミャンマー料理はやや外国人向けにアレンジされているようで、油少なめ味あっさりめ。誰でも食べやすいのではないでしょうか。
もう1軒は「エデンB.B.B.レストラン」(Eden B.B.B. Restaurant: Unit107, Marina Residence, No.8, Kaba Aye Pagoda Rd.,Ward No.10, Mayangone Tsp)。こちらも住宅街の中にあり、観光客よりは各国駐在員やその接待、地元の富裕層の御用達といったところ。しゃれた内装ですがカフェ風のため堅苦しい感じはしません。「ミャンマー伝統料理の中でも他ではめったに食べられないものがある」というのが、連れて行ってくれた友人の弁。というわけでオーダーなどはすべて彼が仕切ってくれたため、料理名などはチンプンカンプン(申し訳ない・・・汗)。お望みの際は、スタッフにその旨相談してみてください。ちなみにこのレストランはバガンの川沿いにも高級感あふれる支店があります。
五感でバガンの歴史的建造物を味わえるのは今だけ
アンコールワット、ポロブドゥールとともに世界3大仏教遺跡に数えられるバガンは、現時点で私の一押しデスティネーションです。多くの遺跡が壊れたままですが、それがまた情緒的でたまらんのですよ。もし世界遺産指定されてシェムリアップのようにコンクリートで修復されてしまったら、この幻想的な雰囲気は消えてしまうでしょう。自分の手で触り、足で登り、間近で眺める・・・そんな「贅沢」ができるのも今のうち。暑さをものともせず自転車で走り回り、写真を撮りまくるヨーロッパ人観光客の気持ちがよくわかります。
悠久の都市のリバービューレストラン
バガンの有名レストランは、エーヤワディー川に面した眺めのいい場所に集まっています。汗だくになって遺跡見学をし、夕暮れのリバービューレストランで飲むミャンマービール。最高のひとときです。その名もズバリの「サンセットガーデン」(Sunset Garden:Yamonar ( River View), Thiripissayar Quarter, New Bagan)は極楽ロケーション自慢のレストラン。メニューはミャンマー、中華、洋食と何でもそろったインターナショナル。ミャンマーの伝統料理のコースを食べたいなら、少なくとも前日には予約を。ついでに一番いい席も押さえてもらうべし!
サンセットガーデンの並びにある「グリーンエレファント」(Green Elephant: 住所はサンセットガーデンと同じでOK)は、ヤンゴンやマンダレーにも支店がある有名レストランで、ミャンマータイムス誌による「いい雰囲気で賞」に選ばれた1軒。受賞したのはヤンゴン店ですが、バガン店もクラシックなムードでなかなかのもの。もちろんエーヤワディー川の景観も折り紙付きです。メニューはこちらもインターナショナル。野菜やフルーツの新鮮さを引き立てるおとなしめの味付けが印象的でした。のんびり食事を楽しんでいると、ああ、もっと長々とここで過ごしてみたいなあ、としみじみ。で、もう一度言います。バガン、おすすめです!
マイフェイバリットホテル
マイフェイバリットホテル のどかさと素朴さと豪華さと
数々のパゴダや寺院、マーケットや伝統工芸品工房など見どころが点在しているバガンに滞在するなら、身も心もリラックスできるホテルを拠点にしたいもの。私が泊まったタラバーゲートは理想的なホテルでした。名前の通り立地はタラバー門の近く、アーナンダ寺院からは徒歩で5分ほど。町の北にも南にも移動しやすい好立地にあります。
暑い日射しを受けながらエントランスをくぐると、オープンエアで高い天井のロビー。温かい笑顔のスタッフに迎えられ、体を涼しい風がすうっと吹き抜けていきます。デザインはコロニアル風とチーク材を使ったミャンマーの伝統的なスタイルが融合した、瀟洒だけど素朴でのどかなイメージ。客室も想像した通りの気持ちのよい空間でした。芝生の中庭には巨木がそびえ立っており、その下で涼んでいると、お釈迦様のようにニルヴァーナ・・・!? なんてことはないですが(笑)、本当に敷地内のあちこちにリラックスエリアがあるのです。とにかくすべてのスタッフに笑顔があふれ、心が和みます。ゆっくり休んだら自転車を借りてバガン探索に繰り出す。いいですねえ、そんな過ごし方。
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