Vol.
45
マダムヨーコの極私的トラベルリポート~ストラスブール編
みなさま、こんにちは。フリークエントトラベラーのミスターに代わり、またまた登場のマダムヨーコでございます。辛口サロンでもちらっと触れましたが、わたくし、この春に鉄道を使ってヨーロッパ北部を周遊してまいりました。今回は、その中でも「んもう、おステキすぎっ!」とガッチリハートをつかまれた、ストラスブールについてご報告いたしますわね。どうぞ、お気楽にお読みくださいませ?。
快適&便利なヨーロッパ鉄道網。が・・・
この旅、当初はケルン&ストラスブールの2大大聖堂制覇を目的にしていたのですが、それならついでに・・・鉄道ならすぐだし・・・と訪問地がどんどん増加。かなり欲張りなスケジュールになったのでございます。それにしても、ヨーロッパの鉄道は優秀ですわね。特にドイツとスイス。事前に徒歩やバス等も含めた移動手段や時刻表が簡単にチェックできるので、全く不安なく利用でき・・・いや、そんなこたぁナイ!
確かにスケジューリングには非常に便利ですが、実際は列車の到着ホームがどこになるかが結構ギリギリまでわからないのが超難点かと。大荷物を抱えたまま、正面玄関の掲示板を見上げて幾星霜。パタパタパタンとようやく数字が出たとたん、民族の大移動スタート! どこがAなのBなの? 矢印通り進んでいくと駅から出ちゃうけど? みたいな焦りと不審で、車中の人となるまでにエネルギーの9割がもぎ取られるこの疲労感。後に友人のドイツ好きマダムの「日本と違って、単純に上りと下りだけじゃないのよね・・・」の言葉に、深くうなずいたわたくしなのでありました。
一等車両を中央部に設置して欲しい件について
到着空港のフランクフルトから、陸路でストラスブールへ向かったわたくし。途中のオッフェンブルクで乗り換えだったのですが、珍しくICEが遅れてもはやギリギリ。半泣きでホームの端まで走り、階段を下り、通路を走り、階段を上り、ああっ、もうダメ、間に合わない?!! そこに車掌らしきオジサマが、だっと駆け寄りスーツケースをガシッ。嬉しいっ。ありがとうっ。でも、荷物だけ電車に先に載せられても! わたくしは、まだ大人の階段登る途中のシンデレラ。それは親切なのか、どうなのか?。
必死に後を追いかけるマダム。車内に飛び込んだ瞬間に扉が閉まりました。地元の人々がのんびりとくつろいでいる中、目を血走らせて息も絶え絶えの東洋女がひとり。ああ、ああ・・・。あのぅ、ヨーロッパ鉄道のみなさま。ホームだけでなく、ファーストクラスの車両を、ぜひ! 移動に便利な中央部に設定していただけませんこと? 高いお金を払って死ぬほど移動を要求されるこの理不尽。ナットクできません!!
ストラスブール旧市街は徒歩でOK!
ふう。ストラスブールにたどり着くまでの前振りが長くなりました。まずは、トラムでホテルに向かいます。石畳の道路をトコトコと走り、イル川を越えると旧市街。鉄の男広場周辺は火曜日の夜だというのに、驚くほどの人出です。クレベール広場のカフェも大盛況。なぜならこの日は、ちょっと信じられないくらいの暑さ。すでにビキニのようなトップスの女性もいて、コートにタイツという自分のむさ苦しさに愕然としましたわ。19時を回っても一向に暗くなる気配もないし。そりゃあビールでも飲みに行きたくなるってもんです。
荷ほどきを終え夕食を兼ねてブラブラ散策していたら、あっという間にノボテルのあたりまで出てしまいました。くう?。たくさんトラムに乗ると思って3日間パスを買ったのに! この様子だと旧市街内は徒歩で全然OKですわね。ちなみに、このノボテルのビルはレ・アールと呼ばれるショッピングモールに隣接していて、テナントには今やユニクロと覇権を競うH&Mや、それより安いぞC&Aなど、ファスト系ショップがてんこ盛り。買い物欲はここで満たせばよさそうです。
大聖堂見学とイル川遊覧はマスト
翌日は朝イチで大本命のノートルダム大聖堂へ。うーん。カソリックのキラキラパヤパヤとした教会に比べ、何と重々しく内省を誘うお姿であることか。天文時計の仕掛けは残念ながら見られませんわね・・・と思っていたら、修学旅行の引率らしき先生が、隅の方でお金をチャリン。あらまあ、くるぅりと仕掛けが一回転しましたよ。こりゃラッキーでございました。そして「高いところは登る! 川があったら船に乗る!」のモットーに違わず329段の階段を上って塔の頂上にも行きました。かなりの苦行でございます!
続いてはイル川の遊覧です。みなさま、もし気候のよろしいときにクルージングなさるなら、毎正時ではなく毎30分のボートにしてくださいませ。毎正時のは天井がガラス張りになっているので、反対側の景色が満足に楽しめないばかりか写真撮影も思うようにいかず。ちゃんと日本語のガイドもあるイヤホン付きなのはありがたいのですが、気持ちのいい風に吹かれてオープンデッキで楽しみたかったでございます?(涙)。
食事は時間をずらしてプティ・フランスで
お食事は、やっぱりプティ・フランス界隈がおすすめです。ランチタイムをちょっと外して15時頃に行けば、どのレストランも入りやすく、運河沿いのテラスでゆっくりお食事を楽しむことができますわよ。ひとりでは難しいかな、とあきらめがちなアルザス名物のシュークルートやベックオフも、半量のツーリストメニューが用意されているお店もあります。マダムったら、結構なボリュームなのに、前菜・主菜・付け合わせにデザートのルバーブのパイ(巨大?)までペロ?リと平らげ(当然withリースリング)、お皿を下げに来た青年に「おいしゅうございました」と言ったところ、「見ればわかるよ!!」と爆笑されてしまいましたとさ。
可愛すぎですストラス雑貨
あとはお土産。こっれっがっまた! 女子ならたまらないほどチャーミングな雑貨がザックザク。チロル風のイラストが描かれたかわいらしいお皿や、イメージキャラクターであるコウノトリのぬいぐるみ大・中・小、手刺繍のテーブルクロスにキッチングッズと、もう本当に「すべてが欲しいのっ!」の乙女状態になりますわよ。マダムなんて、まだ旅の初日だっちゅうのにどでかい陶器のお皿をお買い上げ?。後の移動はすべてコイツ中心のパッキングでございました。バカです・・・が、人生に悔いなし!
徒歩でも余裕で散策できる手頃な大きさ、魅力的なレストランやアトラクションと、ストラスブールはひとりで過ごすのにも全く退屈しない素敵な町。クリスマスシーズンには素晴らしいデコレーションがされるそうですが、夏の心地よさもまた格別。ドイツ、スイス、フランスへの旅の祭には、少し日程をやりくりして足を伸ばしてみてくださいな。では、みなさま、またミスターMピンチの折りにお邪魔いたしますわね。それまで、Ciao!
花鳥風月
美しき重要文化財に泊まる/クール デュ コーボー ホテル
さて、今回マダムがストラスブールで滞在したのは、イル川の南を走るサン・ニコラ河岸通りにあるクール デュ コーボー ホテル。現在、ストラスブールの重要文化財にも指定されているこの木組みの建物は、かつてコルボー伯爵が妻に送った愛の証・・・というのは建前で、実はお忍びや密会用に使われてきたのだそう。かのオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフも利用者のひとりで、スパイ活動の拠点にしたとかしないとか。ふむふむ。あちこちに出口がある構造はそのためだったのかも・・・。歴史を感じさせる中庭は観光スポットのひとつ。見学に訪れる観光客も少なくありません。
客室は、どれひとつとして同じ間取りがないため何とも言い難いのですが、マネジメントを手がけているアコー系のセンスが活きた、実にエレガントで上品な内装になっています。わたくしの過ごした部屋は黒い石材を使った大きなタブのあるバスルーム付きで、湯量も温度も文句なし。唯一、バスアメニティの表示が仏語だったため、シャンプー以外はチンプンカンプン。カンで使用しておりました。全体的に男性スタッフがみなにこやかで親切。女性スタッフはビジネスライク。朝食もシンプルながらひとつひとつが抜群のおいしさでした。駅からはトラムAかDのPlace de l’Hospital下車、イル川沿いに向かい徒歩約3分。どこに行くにも便利で、忘れられない滞在のできるホテルです。あ、ところで、ストラスブールでは木組みの家は「不動産」ではなく「動産」なのだとか。その理由は「すぐに壊してすぐに建てられる」からだそうですわよ。豆知識まで?。
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