ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.27

Vol.
27

今週末にでも旅立とう!香港&マカオ

The Excelsior Hong Kong

2008年もいよいよファイナル。みなさん、今年は思い出に残る旅をなさいましたか? 私の場合は、世界各地を訪問してきたものの、基本的にはタッチ&ゴーのめまぐるしいスケジュール。最後くらいはバリでのんびりお気に入りのスパ巡りをしたかったのですが、この調子ではいつ実現することやら・・・。ところで、年末の出国ラッシュを目前にしたこの時期、実は海外旅行に最適のシーズンだってこと、ご存じですかな? なに、時間がなくても予算が乏しくても大丈夫。近場で手ごろで、しかもお得がいっぱい。目指すは香港&マカオです!

12月の香港は大バーゲンがスタート

現在、香港は年末から旧正月前まで続く大バーゲンの真っ盛り。いわゆるバーゲン用の品ではない、正真正銘のシーズン物がどんどん値引きされるのですからたまりません。12月はまだ値引率は低いのですが、とにかく商品が豊富。お目当てのブランドものをゲットする絶好のチャンスなのです。ブツを前にして決して悩んではいけませんよ。私もかつてアルマーニのカシミヤセーターで悩んでペンディングしてしまい、次の日に行ったらもうなかったという悲しい経験があります。気になる品があったら即断即決。これぞ香港バーゲンを制する秘策なのです。

欲しいものは必ず香港にあり

以前ほどのお買い得感は薄れたものの、原宿、青山、銀座、御徒町、秋葉原が一つところに集結したような香港は、都市全体が大型ショッピングモールのようなもの。もう、歩いているだけでアドレナリン出まくりです。バブル華やかなりしころ、日本人が高級ブランドブティックで、棚の一列を「ここからここまで」といって買ったという有名なエピソードがありますが、いまや主役はニューリッチの中国人。高価なスーツを次から次に羽織り、体に合えば値段も見ずにハイご購入。豪快というか乱暴というか、要するにブランドなら何でもいいのでありましょう。香港島の中環にあるランドマーク、パシフィックプレイス、IFCモールなどは、そんな信じられない光景があちこちで繰り広げられています。一方、九龍サイドですごいことになっているのはカントンロード。気がつけば一大ブティックストリートに大変身。いやあ、香港を歩いていると、やっぱりドバイなんか目じゃないと思いますねえ。置いてある商品のレベルやセンスが雲泥の差です。さすが目の肥えた人を相手にしてきた香港。貫禄が違います。

香港流値切り交渉のコツ教えます

香港では値切り交渉は「買物するよ!」という挨拶のようなもの。そういえばかつての香港はデパートでも値切るのが当たり前でしたっけ。市中ショッピング交渉は大胆に値札の5割引以上から戦闘開始。もちろん、売り手は「何いってんだ?」的な対応をしますが、怯んではいけませんぞ。さっさと店を出るそぶりをします。すると引き留められて、改めて交渉がはじまるのです。ただし、このときにスタートする金額は、最初に交渉した金額からさらに安値にすること。文句を言われたら「最初に8割引で買うといったときにOKしなかったのはそちらだ」とたたみかけるのです。あこぎなようだけど、香港ではこれが基本マナー(!?)。値切らないと馬鹿を見ることを誰もが知っているし、値付けもそのつもりでされています。値切って相手にいやがられることをよしとする度胸と気っぷのよさがないと、絶対に太刀打ちできないのです。香港では店を出るときに塩を撒かれてこそお買い得な買物をした証拠、なんですね。みなさんも頑張ってください。

香港は中華料理以外はみんなB級!?

東京に続いて、香港・マカオ版のミシュランが出ましたね。香港の人はプライドが高いから、日本みたいにミシュランに踊らされて掲載店に行くことはほとんどないでしょうし、いまさら教えてくれなくても、知ってる人はみな知ってるよ的な反応ではありますまいか。何しろ、どこで何を食べたって美味いのですから。以前も書きましたが、香港で食べる中華は本当にすごいですよ。決してぶれることのないベース、驚くほどのクリエイティビティ。しかも単純に「中華」といっても上海、潮州、南湖、四川、遠州などなどハンパじゃない幅の広さとバリエーションはあるし、それぞれがたゆまない進化を続けているのです。その点からいえば、香港のフレンチやイタリアンといった「洋食」は、みーんなB級グルメかもしれません。

香港で粋な日本料理を食すなら

中国では刺身や日本食が大人気だそうですが、香港ではそれよりも遙か以前からレベルの高い和食が通の舌を喜ばせてきました。私のイチ押しはマルコポーロ ホンコン ホテル内の「西村」。カウンターに陣取って、おいしい日本酒をちびちびやりながら酒肴や天ぷらをつまむ。そんな粋な食べ方が似合う大人の店です。当然出費も大人クラスですが、価値観の合う連れとなら至福のひとときが過ごせるはずです。人気店なのでカウンター希望でも予約した方が無難です。

マカオで極めるカジノorエンターテインメント

香港滞在の楽しみがショッピング&グルメだとしたら、マカオのそれはカジノ&エンターテインメントでしょう。MGM、ベネチアンに続き2008年はフォーシーズンズがオープンするなど、ラグジュアリーホテル建築ラッシュの真っただ中。今後もインターナショナルクラスのホテルが次々に進出予定ですが、ここにきて本家中国からの渡航者ががたっと減っているのだとか。理由は四川大地震の際に、潤っているはずのマカオからの義援金が予想以上に少なかったこと。これに不快感を示した国民の反応に中国政府が「マカオけしからん」とののお仕置き(?)を展開したとかしないとか。マカオへの入国は自由だったのが月1回に制限され渡航自粛のムードが蔓延し、カジノはもとよりショッピング面でも売り上げに大打撃。また香港とマカオのビザが別々なのも、本土の人々にとってはどうにもわずらわしいらしいようです。

週末は思い切ってマカオにトリップ!

そこで一躍注目を浴びているのが日本人客。大枚をはたいて豪遊する中国成金にはかなわないけれど、日本人渡航者数は昨年に続き30万人を突破しました。最大の強みは日本から近いこと。香港からも高速フェリーで約45分ですが、香港国際空港からは、イミグレーションを通らずダイレクトにマカオに行くフェリーが1時間に7本も出ています。カジノもカードゲームやルーレットもできるようになって、雰囲気はどんどんスマートに。大小やスロットがメインだったころとは大違いです。ギャンブルに興味がなければショーやショッピングを楽しみ、異国情緒漂う町並みを散策するのもいいでしょう。マカオには世界遺産だってあるのです。誰にでも楽しめる要素がどんどん充実しているマカオは、今こそが行き時。さっそく今週末に飛び立ってみてはいかがですか。

教えて!ミスターM!

海外でのドライブに関するエトセトラ

カナディアンロッキーのドライブについて「私もレンタカーで苦い経験があります」というお便りを和歌山の福田さんからいただきました。6月末から北米グランドサークルとヨセミテを奥様とともに9日間旅した福田さんは御年69歳。JAF経由でAAAの地図を取り寄せ事前にシミュレーションし、全てインターネットで予約なさったそうです。が、トラブルはレンタルしたカーナビを信用したことから発生。「シミュレーションしたのとは別ルートのショートカットルートをカーナビが指示したのです。思い切ってカーナビに従ったのですが、指定された所に道らしいのが見当たらない。近隣の町に戻り尋ねてみるとジープなら行ける道だと教えられたのです。やはり当初地図で計画した通りに走ればよかったと後悔しました。元に戻るのに40マイル強は無駄をしました。でも広い荒野や山の中を走り、とても楽しい旅でした」とのこと。そうそう、どんなトラブルに遭遇しても、やっぱり車の旅は感動が勝るものなんですよね。これからも奥様と御一緒に、素敵な旅をなさってください。

続いては松尾さんからの質問です。「右ハンドルのイギリスやオーストラリアでドライブしたことはあるのですが、左ハンドルの車を運転した事はありません。アメリカやフランスやドイツ、カナディアンロッキーなど車で走破したいのですが、左ハンドルの車の運転の練習をさせてくれる所はないでしょうか?」私に権力があったら、自動車教習所に「海外ドライブ訓練コース」を設けるのですがねえ(笑)。ささやかですが日本で外車に乗って、ハンドルの位置や車幅の感覚、ウインカーとギアの違いに慣れることからはじめるといいですね。海外で左ハンドルを練習するなら、断然ハワイ島がおすすめです。コハラコーストのリゾートに泊まる場合は、空港から難しい市街地走行もなく、いきなり広大な溶岩台地風景の中の一直線の道へ。車が少なくストレートで見晴らしのいい道路は初心者に最適。最初は取り回しのしやすい小さな車をチョイスして、左折などの基本をしっかり身につける。同乗者もドライバーが運転に集中できるよう気遣い、早めに信号や標識を指示してあげられたらベストです。海外でのドライブは慣れと経験が一番の特効薬。チャンスを見つけてはハンドルを握るようにしてみてくださいね。

花鳥風月

深センに登場したギネス級の大規模ゴルフリゾート

香港の繁華街を歩いていて気がついたのですが、今年になってゴルフショップの路面店が急激に増えているようです。なんでも中国ニューリッチの間ではゴルフが大変なブームで、とりわけ高級ブランドの女性用ゴルフアイテムの売り上げはダントツの伸びを示しているのだとか。確かに日本でもハイクラスのレディースファッションマガジンで、たびたびゴルフ特集が組まれる昨今。バブル以来のゴルフブームが再び訪れるのでありましょうか。

ブランド品で身を固めた中華ムッシュ&マダムが詰めかけるのは、深センにオープンしたミッションヒルズ・ゴルフクラブ。聞いて驚くなかれこのゴルフクラブ、ジャック・ニクラウスやグレッグ・ノーマンといった世界のトッププロ総勢10人が設計を手掛けた、18ホール×10コース。しめて180ホール、キャディー3000人というとんでもない規模のゴルフ場なのです。もちろんクラブハウスからブティックモール、各種レストラン、豪華宿泊施設までバッチリ完備。世界最大とも第2位ともいわれる一大ゴルフリゾート、投資金額や総スタッフ数など予想もつきません。もちろんプレーフィーもぶっ飛び価格。なのに、全く予約が取れないというのですから、いやはや。一度プレーしてみたいけれど・・・ううむ・・・もしかして全然予約が取れないのは、幸いなことなのかも? ちなみに日本人に大人気は、ジャンボ尾崎設計の難易度の高いコースだそうです。