ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.0

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クラン・モンタナ(スイス)

Helvetia Intergolf Hotel And Aparthotel in Crans-Montana

日本のガイドブックではほとんど紹介されないが、クラン・モンタナはヴァリス州を代表する高級高原リゾートであることをご存知かな?全長300kmにも及ぶハイキングコースやワールドカップを誘致できるほどのスキー場はもとより、オメガマスターズが開催される有名ゴルフコース、ホテル学校や各国富裕層の子女が列を成して参加を待つサマーキャンプ、そしてハイレベルのレストラン群など、莫大なる投資と確固たるポリシーで、単なる行楽地にとどまらない独特のスノビズムを感じさせてくれるエリアなのであります。

VIPがお忍びで通うスイスヘルスセンター

私の滞在中、クラン・モンタナはあいにくの雨。「マッターホルンからモンブランまで」という雄大な景観を満喫することはできなかったものの、レストランやゴルフ場で、その一味違う高級感を存分に味わってきましたぞ。とりわけ驚いたのがグランドホテルドゥゴルフ内にある「スイスヘルスセンター」の存在。この地を代表するホテルだったアンバサダー(現在は閉鎖中)から移転したもので、最高級の医療施設を備えたここは、まさにアンチエイジングのためのシークレットスポット!

綿密なメディカルチェックと最新技術で、ゲストの美と健康を徹底的にケアしてくれるのだ。さっそく私もいくつかのプログラムにチャレンジしてみた。中でもコロンハイドロテラピーは、なんというか、そのぉ、実に非日常的な経験ではあったが、結果はワンダフル!とはいえ、いかんせん数時間のエキスプレス体験。他のゲストのように長逗留して、資産と時間をじっくり投入すれば10歳の若返りも夢ではないのだろう。うむ、美的オヤジを目指す私としては心残り千万。無念であった。

初心者でも上級者でも楽しめるハイキング

まず、海外のカーナビは当然のごとく英語もしくは現地語表示であるということ。慣れない言語では固有名詞を認識するのもひと苦労。走りながら画面を見ただけではチンプンカンプン。結局は日本語で書かれた地図と照らし合わせて・・なんていう「翻訳」の手間がかかってしまうんですね。まあ、それでも自分で理解しようとするだけマシかもしれません。

カーナビ最大の欠点は、ドライバーが頭を使わなくなることなんですナ。特に初めて走る道。カーナビに頼り切ってしまうので、自分の目で周りを観察し記憶する、という回路がほとんど働かない。ゆえに高性能で超便利なガイドに言われるまま運転することに。いやいや、それでもいいんです。何も問題がなければ。でもやはり、五感を働かせて旅するべき・・ん?、でも、だから目的地が遠くなるってこともあるかな!?

遊・食・美・買のすべてがそろった社交場

先のヘルスセンターに代表されるように、クラン・モンタナは、他のスイスの人気山岳リゾートにはない都会的なニュアンスが加味されているのが特徴。カジノあり、ルイヴィトン等のブランドブティックあり、かのニューヨーク・プラザホテルの元シェフが手がけるスタイリッシュなレストランあり。ゴルフやスキーはもとより、湖でのウオータースポーツ、乗馬などアクティビティにもどこか優雅な趣が漂うのですな。そう、ここクラン・モンタナは、リゾートの理想的な条件を十二分に満たし、快楽のために優雅に時間を浪費することの価値を知っている人のための、いわば社交場でもあるわけだ。

日本人はスイス山岳リゾートというと、まずツェルマットやグリンデルワルトに目を向けてしまうようだが、次回のスイス訪問の日程の中にクラン・モンタナを組み入れてみてはいかがかな?ちょっぴり膨らんだパースと、ドレッシーなワードローブをバッグに入れて。ヨーロッパ特有のラグジュアリーなバカンススタイルを実感できるだけでなく、スイスの新たな一面をうかがい知ることができるかもしれませんぞ。

花鳥風月

「Dent-Blanche(ダン・ブランシュ)」で味わうチーズ料理の究極

ラクレットはヴァリス州の誇る郷土料理。クラン・モンタナのプラン・モルト行きロープウエイ近くに愛らしい店舗を構える「LaDent-Blanche」は、グルマンを唸らせる世界最高峰のラクレットを供するレストランであろう。10年しっかり果実を育み、引退となったブドウの木を暖炉で焚く。その香ばしさがたっぷり染み込んだラクレットの美味なこと!ラクレットのペア、ホクホクのポテト(これまた美味)に、ディルとヴァリス産の白ワインでリフレッシュしながらいただくと、驚くほど次々と胃に収まってしまうのであった。ああ、思い出すだけで生唾が・・・。オーナーが愛おしむように作るこのラクレットを食べるためだけでも、クラン・モンタナを訪れる価値ありと断言します。

マイフェイバリットホテル

バンコク/都会の中の優雅なアーバンリゾート

The Sukhothai Bangkok

敷地内に一歩足を踏み入れたとたん、ふっと消える街中の喧騒。隅々まで計算しつくされているにもかかわらず、威圧感や重厚感を与えないその空間創造。流行に媚びず、しかし決して古さを感じさせないそのデザインとカラースキーム。ザスコタイバンコクにはホテルの目指すひとつの究極のフォルム、空気が体現されているのである。

すっきりした直線の中にさりげなく採り入れられた穏やかな曲線、心憎いほど心理的効果をふまえたバリエーションに富む天井の高さ、鏡や水を多用した洗練された装飾。リネンやカトラリーのひとつにも手を抜かず、またリノベーションではなくリプレイスによってその美学を保ち続ける確固たる姿勢に、心とろかされないゲストなど果たしているのだろうか。バスルーム、ブレックファストルーム(コーヒーショップ)、コリドー、中庭、全ての場所が落ち着きと安らぎに満ちたこのホテルは、まさしくバンコクのエアポケット。高級ホテルでは当然のようにサービスが最重要視されるものだが、ザスコタイバンコクは、そんな極上の空間と空気をサポートするかのような、でしゃばらない、控えめなスタッフの目配りと動きが誠に印象的なのだ。

チェックアウトするたびに次回もまた泊まりたい、と切実に思ってしまう私の心のナンバーワンホテル。美しく優雅なアーバンリゾートなのである。