Vol.
129
もう台湾は飽きてしまいましたか?
みなさまごきげんよう、マダムヨーコでございます。もう夏休みのご予定はお決まりですか? 先のゴールデンウイークで海外旅行先第1位だったという台湾は相変わらずの人気ですが、そろそろブームも落ち着いてきたのでは…と見る向きも。これまで飛行機が取れないと嘆いていたみなさま(わたくしですか!?)、ようやく安心してスケジューリングできそうですわねっ。チームろくでなしも、次回出動に向けて鋭意努力中でございます。
長所はいろいろあるけれど…
最初の渡航でドハマリし、当初は3カ月おきに台湾に通い詰めていたわたくし。さすがに最近は1年に1回程度に収まりましたが、それでも「もう、台湾はいいや」とはならないんですから不思議です。近い、安い、人が優しい。かてて加えて温暖なため、いつ行っても比較的天候が安定している(バカ暑い時や台風がありますけど、極寒よりはずっとマシです)。こんな長所だらけの国、なかなか飽きないのも当然ではないかしらん。
な~んてことを先日、ミスターとお話する機会がありましたの。ところが、ミスターに言わせると「確かにアドバンテージは高いけど、1~2回で飽きちゃう人も多いみたいだよ」とのこと。ええ~! ひたすらのんびりするしかない遠方のアイランドリゾートでもあるまいし、なぜそんな現象が起きるのでしょうか。
短期滞在に最適な場所ゆえの弱点
その背景のひとつとして、東部・中部エリアへのアクセスがいまいちなことが考えられます。台北を中心に淡水、九份方面、もしくは新幹線が走っている台中、台南、高雄は比較的短い日数の滞在でも行くことができますし、効率的に回れる現地ツアーも充実しています。しかし、ある程度人気エリアを制覇したあとは、行ってないところを訪ねたくなるのが旅人のサガ、でございますわよね。
なのに、その「未開の地」である東部・中部方面は、短期滞在ではどーにもこーにも行きづらいのが実情です。せわしない移動はつらいから、前後で台北でも時間を取りたいと思っても日程的に難しい。行動範囲を広げようとすれば、単に目的地に行って戻るだけで旅が終わってしまう…な~んてこともあり得そう。そうなると「台北中心の滞在ならもういいや、また時間ができた時にゆっくり行きましょう」となるわけです。
意外とトラウマになりやすい「食」
観光地訪問だけではありません。おいしいと思った「食」の楽しみも、意外とすべてが似たような味であることに気がつきます。薄味ながら油多め、砂糖多め、八角風味バリバリ。パクチーとアイスクリームと豚のデンブをクレープ状に巻き込んだもの、しょっぱいと思ったら甘かった煮物など、想像を絶する冒険食も多すぎて、一度ショックを受けると立ち直るのに苦労します。特に男性。味に保守的で、あれもダメ、これもダメな軟弱男子も多し。となると毎回同じものばかり食べることになり、これまた飽きてしまうわけです。
同じ中華系ということで言えば、香港のようなエンタテインメント性がないことも弱点のひとつかもしれません。物価は高いとはいえ、街角のおかゆや伝統的喫茶店、スイーツに水餃子から、超ハイクラスホテルでのアフタヌーンティー、フレンチに星付きの地方中国料理まで、香港の食にはメリハリがあるんですのよね。台湾にも晴れの舞台はたくさんありますが、いかんせんワクワクするような華やぎが足りない。よくいえば緊張せずにどこでも楽しめるということですけれど…。
ショッピング&エステ・スパが楽しくない~
また、女子に不評なのがショッピング。お茶関連はもう十分。それ以外だと若い世代には安カワいい服や靴、雑貨などもたくさんあって楽しめるのですが、ある程度の年齢になると、そんな小さくて(ここがポイント!)愛らしすぎる服は着られないのです~。ううう。ファストファッションのショップでも、やはり流行に乗っかったヤングターゲットの品ぞろえ。そうでなければ目に痛いほど原色で構成されたオバ服ブティックという始末。まあこれはアジア圏全般に言えることですが、大人の女性がかわいらしくキレイに見える服、シンプルだけど上質に見える服というものが、ほとんどないのですね。温暖な国という性質もあるでしょうが、このショッピングの不毛さにガックリ来る女性は多いと思いますわ。
ビューティ&ヒーリング関連が充実していないのも寂しいですわねえ。マッサージ店はひしめき合っていますが、洗練された町スパが意外と少ない。メニューにボディトリートメントがあっても、足マッサージの延長のような雰囲気では、とてもじゃないけどうっとりできませんもの~。かといってホテルのバカ高いスパに行く気はしないから、適当にフットマッサージですませてしまいます。これはこれでいいんですのよ。歩き回ってクタクタな時はマジで気持ちいいですもの。でも、ねえ…。
台湾ではワンテーマに絞った滞在を!
ああ、こうしてマイナス点をあげていくと「そうだよ、だから台湾もういいじゃん」と、なってしまう人が増えそうな気がしてコワいわ~。しかしマダムヨーコは訴えたい。それでも台湾は奥が深いし楽しいですわよ。有名な食べ物は制覇したとしても、まだまだ目を見張るような屋台メニューが次から次へと開発されていますし、小籠包はどこで食べてもやっぱりおいしいじゃありませんか。そう、台湾を楽しむなら、観光も食もエクスカーションも、といろいろ欲張らないことが肝心。毎回テーマをひとつに絞って滞在するのが、リピートを楽しむコツであり、短時間の滞在ならなおのこと充実した旅になるはずです。
テーマが「食」の時はホテルの朝食はナシにして、台湾ならではの朝食店であれこれ試してみる。昼は小籠包や鶏飯など手軽なものを。夜はある時は夜市で思い切りジャンキーなものを食べまくったり、ある時は有名レストランに予約して出かけたり。もしくはレストランのあとで夜市、居酒屋、オシャレなバー、カフェなどで過ごしてみる。こうして「食」だけに特化した滞在にすれば、2泊3日でもかなりディープな体験ができますわね。もしくは近郊都市をめぐる旅(バックナンバーをご参考くださいね)をする回、ひたすら雑貨やアート関係スポットを巡る回、温泉でのんびり過ごす回、とチャレンジしてみたいテーマは次々に思い浮かんできますわよ。
短い休みしか取れないし予算もそんなにない。でも台湾は飽きちゃったしな~とお悩みのみなさま。ブームが落ち着いてきた今こそ、あなたなりの台湾旅行ができるチャンスです。かくいうわたくしの次回訪問のテーマは「ゴージャスなディナー」。これまで毎夕食は夜市→100元居酒屋がお決まりコースでしたので、ちょっと有名どころにもチャレンジしてみようかと。ま、行けても2回ですからさほど財政は逼迫しないはず(と見込んで。笑)。またチームろくでなしの活躍リポートをご期待くださいね。それではみなさま、また来月。Ciao!
いつもマダムヨーコのサロンに楽しいお便りをありがとうございます。「では、行ってきま~す」と、旅行の予定を教えてくださったトラベジェンヌのみなさま、その後の首尾はいかがでしょうか? 旅のご報告をお待ちしております。さて、そろそろ本格的な夏。というわけでみなさまには、旅先での「ゾッとしたエピソード」はありませんか? スピリチュアル系、犯罪系、人間心理系などジャンルは問いません。忘れたくても忘れられない思い出の数々を、ぜひお寄せくださいね!
使えるワンポイント英会話
「これを試食(試飲)できますか?」とたずねるフレーズです。デパートや市場、屋台などで気になった飲食物を購入する前に試してみたい…。日本ではなかなか難しいチャレンジですが、海外では驚くほど気前よくOKしてもらえることがあります。物怖じせず、ぜひ笑顔で話しかけてみてくださいね。
「角度を変えれば新たな発見がある」人生に「もうわかっちゃった」はありません。工夫と努力次第で新たな魅力はきっと見つかるものです。人も、物事も。
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