マダムヨーコの辛口旅サロン「目指せエレガント・トラベラー」
Vol.21

Vol.
21

どこまでこだわるの?ホテルの必須条件:オーシャンビュー編

♪ああ、燃料費が高い高いよ?。しーかーもー直行便より経由便のほうが安いのはな?ぜ?? 時間を取るの? お金を取るの? それとも行くのやめちゃうの?ルルル?。
きたる夏休みのプランに悩む、みなさまの心を代弁した感動ソング「ねんりょうひのうた」(作詞作曲アレンジbyマダム)でお出迎え。ようこそ、マダムヨーコのサロンへ。ええ、それでもやっぱり行くんです、海外へ! そんなトラベジェンヌ魂爆発のみなさまと考えたい今回からのテーマは、ホテルの必須条件についてです。

日本人への3つの質問

海外ホテルで非日本人のスタッフの方とお話しする機会があると、必ずといっていいほど聞かれることランキングのベスト3は、

「どうしてそんなにオーシャンビューにこだわるの?」
「どうして日本人はカップルなのにツインベッドの部屋をリクエストするの?」
「どうして日本人はバスタブがないとイヤなの?」

どれもこれも、日本人であれば説明するまでもなく「だってそっちのほうがいいんだもーん」でハイOKなポイントばかり。ですが、海外でこれらへの執着がホテル滞在の快適度を左右するとなれば話は別。それは、あなたにとって本当に本当に必要な条件なのでしょうか?

ビーチリゾートでオーシャンビューはマストか?

窓を開ければ目の前に海! ビーチリゾートというとまず思い浮かぶのがそんなイメージですわね。ところが。当然のことながら、海の見える部屋は料金が高い。同じ間取りなのに景観が違うだけで、驚きの差額が発生。もっといけ好かないのがパーシャルオーシャンビューというヤツ。頑張って首を伸ばして、やっと波頭が見えるだけでも「海の見える部屋」。でもって、やっぱり高い。がっかりすることの方が多いのに、それでも期待を込めて予約してしまう、悲しき日本人のサガよ・・・。

さて、そこまでして手に入れたオーシャンビューのお部屋での、数日間のバカンス。その典型的な過ごし方はというと・・・。朝食は鬼混みのブッフェ・レストラン。場合によってはテーブルが空くまで順番待ちも。食事を終えたらすでにランチタイムも間近。あわててショッピングや観光、オプショナルツアーへGO。さんざん動き回ったあとは、ガイドブックに載っている人気レストランでディナーを取って、ようやく帰館。窓の外は真っ暗、もはやクタクタ。メイクを落としてお休みなさ?い・・・って、いったいいつ「オーシャン」の「ビュー」を楽しむのですかっ!?

オーシャンビューを楽しみつくそう

オーシャンビューの部屋に泊まるなら、その景観を最大限に活用しなくてどうします! 部屋にいるのは睡眠中のみ、という人なら鼻息荒くオーシャンビューにこだわる必要もないのでは? 朝起きてチラリと見るだけなら、日中ビーチで寝ころんでいたほうが、存分に大海原を眺めることができましてよ。高いお金を払って手に入れた素敵なお部屋ですもの、たとえ1日だけでも、とことん景観を楽しみつくしてみてはいかがですか。

なんといっても朝食はルームサービスで。少し早めの時間を指定し、ベランダでセッティング。静かで爽快な、自分たちだけの空間と時間をゆっくり味わいます。その後はプールかビーチに繰り出して、木陰でのんびりリラックス。暑さが最高潮に達する前に部屋に戻り、シャワーを浴びます。ミニバーから冷えたビールを取り出し、バスローブのままベランダのデッキチェアで小休止。もし日中にショッピングや観光に出かけたのなら、夕食前に一度ホテルに戻ってシャワー&着替えを。時間はちょうどサンセット。レストランに出かける前にベランダでアペリティフを楽しむのもいいでしょう。

客室の選択はホテルのロケーションがキモ!

「そんな悠長なコトしているヒマもお金もないっす」ですって。ならば、ますますオーシャンビューなんか不要ですわよ。そもそも、ビーチリゾート=オーシャンビューでなくちゃ、という刷り込みから脱却しなければなりませぬ。というのも、オーシャンビューの部屋をチョイスすべきか否かは、すべてそのホテルのロケーション次第なのですから。

たとえば高層ホテルが林立・密集している人気リゾート。ホテルのインフォメーションでは、どこがオーシャンビューでどこがシティビューか、建物を色分けして明示しているケースがあります。んが! コレを信じると痛い目に遭います。なぜなら、そのホテルの周辺にある建物はきれいさっぱり削除されているからです。パーシャルオーシャンビューでいいか?と安易に決めると、確かに海はチラリと見える。でも景観のほとんどを占めるのが隣のホテル、なーんてケースはザラ。おちおちベランダでくつろぐこともできません。

人気リゾートなら「オーシャンフロント」を指定

エリアでいうと、オアフ(ワイキキ界隈)、ゴールドコースト、ペナンのジョージタウン、プーケットのパントンビーチあたりが当てはまるかしら。ゆえに、こうしたリゾートのホテルで完璧なオーシャンビューを確保したいなら、絶対に「オーシャンフロント」のカテゴリーを選ぶこと。お金に糸目をつけてはいけません。反対にオーシャンビューにこだわらないなら、ガーデンビューかシティビューがベスト。美しい中庭や夜景は、海の眺めに勝るとも劣らないはずです。一方、かなりギャンブルなのが、コートヤードビューやパーシャルオーシャンビューのカテゴリー。コートヤードといっても駐車場だったり、空調施設が並ぶビルの屋上越しに海がちょっぴり見えるなんて部屋に、ガーデンビュー以上の料金を払うなんて納得いきません! 中途半端は虻蜂取らず、とお心得あそばせ。

ところで、どの部屋を選んでも申し分のない滞在ができるリゾートホテルが、少数ながら存在します。オーシャンフロントの立地、広い敷地を有していること、さほど高層の建物でないこと、海やプールもしくは中庭に向かって客室が配置されていること、増築で建物を追加していないこと、そしてデラックスクラスであること。大変厳しい条件ですが、これを全てクリアしているホテルには、とんでもなく景観がヒドイという部屋はありません。したがって、予算はないけれどグレードの高いホテルに泊まってみたいというときには、この手のホテルのROH(Run Of The House=部屋指定なし)が狙い目なのですわ。

ROHで満足できる滞在をするには

ROHでは、最も低いカテゴリーの部屋が用意されるのが一般的。ほとんどがいちばん安い料金を提示しています。もし格安ツアー参加で「部屋指定なし」なら、これは99%スタンダードと見て間違いなし。広さやビューは期待できませんから、チェックイン後にぶうぶう文句を言ってもどうにもなりません。満足できる部屋に泊まりたいなら、追加料金を払っても「ホテル指定」「カテゴリー指定」にするべきです。

反対に、個人旅行でROHをチョイスするなら、「よい部屋」を提供してもらえる可能性がぐんとアップします。上記の条件を備えたデラックスホテルなら、カテゴリー指定よりも安い料金であることに加え、もしかしたらビックリの部屋が用意されているかも・・・と、ROHで予約する楽しみは2倍にも3倍にもなります。プランニングの際に、ぜひぜひじっくりご検討くださいませ!

日本人の心に巣くうオーシャンビュー症候群(大げさ?)。今回は、それを少しでも払拭するお手伝いができましたでしょうか? そんなことは先刻承知の助、「ここのホテルはオーシャンビューじゃなくてもイケる!」というリゾート情報がございましたら、ぜひマダムにお知らせくださいな。取り急ぎ駆けつけてみます!! それでは次号のツインベッド症候群をお楽しみに! Ciao!


聞かせてあなたの声を

みなさま、いつもお便りありがとうございます。クレームに関するお話は、とりわけみなさまの反響が大きゅうございました。しかも「それでもアタイはガンガン言っちゃうよ!」という威勢のいいものではなく、「解決できなかったのは自分のクレームの付け方が悪かったせい?」とけなげに反省なさる楓様のようなケースがほとんど。いえいえ、そうやって自分の言動を振り返ることから人類の進歩(でかく出てみました)ははじまるのですわ! あなたの心に「クレームの際は気をつけよう」と刻まれたなら、それでOK。次回からはより効果的な対応ができるはずです。楓様、がんばって!ちなみに楓様が海外で絶対に買ってくる土地のものは「紅茶」で、「コーヒーの国でも絶対買ってきます。値段が安いとやっぱり味もそれなりの物が多いのですが、旅行の事を思い出しながら飲んでいます」とのこと。うーん。ステキですわね。

しま様からは「冷蔵庫のマグネットを買う方もいますよね。それにしても塩も歯磨き粉も帰りのカバンには重たそうですね。ははは」」とのご指摘が。そういえば、我が家の冷蔵庫にもカンガルーやオランダ靴やカッパ(どこ!?)が張り付いていますわねえ。歯磨き粉は確かに重量がありますが、ほんの1本か2本ですもの。しかも使ってゲロマズ! な大失敗もあるため、非常に気合いを入れて選んでおります。他にも、あなたが海外で絶対に買ってしまうものがおありでしたら、ぜひ教えてくださいませ。

使えるワンポイント英会話

ルームサービスで朝食を頼むときの最もシンプルなフレーズがこれ。とかく日本人は「ルームサービス・プリーズ」と切り出しがちですが、ルームサービス専用の番号に電話している以上、それは言うまでもないこと。電話を受けたスタッフは、詳細なメニューやデリバリーの時間を確かめます。パンの種類や卵の調理法などは、ダイレクトリで調べておくとスムーズですよ。

他にも、あらゆるシーンで役立つ英会話がそろってます!

今週の旅格言

「ホテル選びは周辺環境のチェックから!」リゾートでは料金が高いからいいホテルだとは限らない。周辺の環境まで含めて考えてこそベストな1軒が見つかるのです。