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ミスターMのおいしい旅の話「次の旅はここへ行け!」
Vol.81

Vol.
81

マダムヨーコの極私的トラベルリポート~エズ編

Chateau de la chevre D'or

「ええっ、またミスターは出てこないの!?」とお嘆きのみなさま、誠に恐縮でございます。スケジュールが詰まりに詰まりすぎ、まさにCatch me if you can状態のミスターご指名により、4番代打マダムヨーコの登板なのであります。今回は、大変悲惨だった南仏はエズ滞在のお話を一席。よろしくおつきあいの程を。

アプローチはニースから

ニースといえば、かつてこのリポートシリーズでも取り上げたことのあるセレブリゾート。前回はパリから空路で到着し、バスでプロムナード・デザングレに入りましたが、このたびは陸路でニース・ヴィル駅着。長距離バスでエズに移動です。あら~、長距離バスターミナルって街の外れなんですのねえ。駅前の観光案内所でマップをもらい、トラムでヴォーバン(Vauban)に下車します。だだっ広い停留所の中から112番もしくは82番停留所を探してウロウロ。あった、と思ったら出発は1時間半後。むー。もはや動くに動けずな~んにもないところで、じっとバスを待つマダムご一行でありました。

ようやく乗り込んだバスは、ニースの市街を抜け(オイオイ、じゃあ街中で乗ればよかったじゃん! と自分ツッコミ)、坂道を登っていきます。オフシーズンのせいか車内はガラガラ。ニースの街並みが視界から消えた頃から、のんびりと山の中腹を走り続け、約30分でお目当てのエズ・ヴィラージュ停留所に到着です。料金は片道1ユーロ。や、安い……。目の前には鷹の巣村へと続く道。時刻はすでに18時を回りましたが、まだまだ明るい。しかしハラが減ってはロマンスもはじまりません。散策は明日のお楽しみにして、まずは頂上まで一気に登り、レストラン探しでございます。

海を見下ろしながら至福のディナー

何となくカンが働いて入ったのは、地元出身の陽気な兄弟が腕をふるう南仏家庭料理の小さなお店。エントランスはとても素っ気ないのですが、奥に通されて思わず感嘆! 地中海のパノラマが眼下に広がる素晴らしいテーブルだったのです。さっぱりした白のテーブルワイン、そしてシンプルな味付けのグリルドフィッシュとサラダニソワーズ。沖合に浮かぶ豪華客船のイルミネーションは、まるで海に落ちた星屑のよう……。マダムをにわかポエマーに変えてしまうエズの静かで美しい夜。ああ、こんな時、となりにいるのが毒舌の中目黒マダム夫妻ではなく、愛しいダーリンだったら! そんな切ない思いは胸に隠し、いや隠しきれず大いにグチりながら、満腹のディナータイムを過ごしたマダムなのでございました。

天は我を見放した!

翌朝、わたくしを目覚めさせたのは猿が懸命に小太鼓を叩くような音。何気なくカーテンを開けると、ガーン! 外は信じられないくらいの土砂降りじゃありませんか。マジか!? 傘持ってないんですけど! ホテルで傘を借り、停留所近くのスーパーに駆け込むと、そんな客を見越したようにレジ脇に折りたたみ傘が積んであります。ほんの5分で、すでに靴はぐちゃぐちゃ状態。「エズは雨が多いんですか?」、思わずお兄さんに詰め寄る中目黒マダム。「いや~、1年に数えるほどだよ。こんな雨は初めてかもねえ。HAHAHA!」。くっ……。しかも23ユーロも出して買った傘を開いてみると、ダブルデッカーのイラストとデカデカとLONDONの文字。……何でだよっ!

すっかり外出する気をなくした中目黒ムッシュウを置き、マダム2人組はど根性で鷹の巣村に登り始めました。カッパを着込んだ日本人の団体が、恨めしそうに歩いています。おそらくツアーでの立ち寄りだったのでしょう。霧で海は見えないし、エズ庭園は豪雨のためクローズ。き、気の毒~。わたくしたちも歯を食いしばって歩き回りましたが、寒いし足元は水浸しだしでもはや限界です。全く行くつもりのなかったフラゴナールの香水工場に見学に出かけ(屋内ですしね)、ほっとした勢いのあまりまんまと各種お土産を購入してしまったのでありました。

エズの恨みをニースで晴らす

エズには1泊の予定でしたので、ホテル戻ってずぶ濡れのままチェックアウト。ところが今度は、いくら待ってもニース行きのバスが来ないのです。寒い、眠い、お腹が空いた。まずい、凍死の3条件がそろってしまった。ああ、もうだめ。こうなったらタクシーを呼びましょう……と誰かが言い出しかけたその時、やっとバスの姿が見えてきました。往路のはしゃぎぶりがウソのように、シートで黙りこくるわたくしたち。時折「靴を……何とか……」という、うめき声が漏れてきます。うう、大共感ざますよ、中目黒マダム!

修行のような午前中を経てたどり着いたニースは、やっぱり雨。マダムチームはメドサン通りでいったん解散し、それぞれがそれぞれの欲望を果たすべくショッピング街に散っていきます。わたくしも靴ゲットが最優先事項。ファストファッションの店で季節を先取りしすぎのブーツとソックスを購入し、その場で即履き替え! ああ~、助かったよ~、生き返ったよ~。その頃には雨も上がり、気温もぐんぐん上昇中。しばらく歩き回っていると、ブーツが……暑いんですけど……。もう、もう、このエズ小旅行は、何もかもが忍耐の連続だと思うしかないようですっ。

晴れていたらシャトー エザのテラスでランチしようね、なーんていうおハイソな計画はかなわなかったけれど、初日は素敵なディナーも経験できたし、まっ、いっか。何とか自分をナットクさせていたマダムに、後日、別の友人マダムから電話がありました。「ダンナとシャトー エザ泊まってきたわよ。んもう、全てが最高だったわ~」。ギャー!! ぐやじい。いつか、絶対にもう一度エズに行くもん!! というわけで、今でもエズ完全制覇に闘志を燃やしているマダムでございます。それではみなさま、またサロンでもお目にかかりましょう。Ciao!

マイフェイバリットホテル

エズで泊まりたい2軒のホテル/シャトー エザ & レジデンス エズ ヴィスタ

コートダジュールの小さな村を訪ねる旅では、誰と行くかによってホテルを選びたいものですわね。カップルで1~2泊ずつしながら移動するのなら、ここぞという場所では思い切って贅沢してみてはいかがでしょう。その代表が、先ほどもちらりと取り上げたシャトー エザ。重厚な石積みの中世チックなたたずまいと、クラシックスタイルの温もりのある客室。予算があればディナーもぜひホテルで楽しんでみて。そりゃあ、うっとりするほどロマンチックでしょうねえ。

友人やグループで、もしくはどこかを拠点にして車で周遊するといった場合には、エズでしたらレジデンス エズ ヴィスタがおすすめです。バス停留所から徒歩約5分。鷹の巣村を一望できる、フラゴナール香水工場のちょうど裏手あたりの景観の素晴らしい場所にあります。ホテルタイプの客室もありますが、最低4人から利用できる1~2BRはフルキッチン付き。室内は広々としているし、バスタブや大きなテラスもあるのでとても快適です。ガラス張りの朝食室では食べきれないほどのパンやクロワッサン、デニッシュ類が供されますわよ。お値段も手頃です。

みなさまからの声

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